中山クリニック

骨粗鬆症を予防する最強のおすすめ食べ物5選~骨が強くなる・骨密度を上げる食べ物とは?~

掲載日:2025.01.15

骨粗鬆症は高齢者に多い病気として知られていますが、その予防に効果的な「食べ物」があるのをご存知でしょうか?この記事では、骨粗鬆症の基本情報と、医学的根拠に基づいた「骨粗鬆症予防に最適な5つの食べ物」を解説します。さらに、簡単に取り入れられる実践方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

————目次————
1.骨粗鬆症とは?なぜ予防が必要なのか
2.骨粗鬆症予防におすすめの食べ物5選
 乳製品(発酵乳製品)
 果物(プルーン・アーモンド)
 豆類(大豆・ひよこ豆)
 青魚(イワシ・アジ・サバ缶)
 緑黄色野菜 (ブロッコリ・小松菜・ほうれん草)
3.骨粗鬆症予防のためにできるその他の工夫
4.まとめ
5.参考文献

骨粗鬆症とは?なぜ予防が必要なのか

骨粗鬆症とは

骨粗しょう症の例
骨粗鬆症とは、骨がスカスカになり脆くなる病気です。骨密度が低下し、骨折のリスクが高まるため、高齢者の生活の質を大きく損なう原因のひとつとなります。

特に女性に注意が必要

男女の骨密度低下の例

女性は〝閉経後に骨密度が急激に低下〟します。特に50代以降は要注意です。

男性も加齢により骨密度が低下しますが、女性ほど急激ではありません。

骨粗鬆症が生活に及ぼす影響

・骨折による要介護状態:転倒や軽い衝撃で簡単に骨折し、寝たきりや車いす生活になるケースが増えます。要支援要介護になる原因の3位が骨折です。

・生活の質(QOL)の低下:骨折により日常生活が制限され、本人や家族に大きな負担を強いることがあります。

骨粗鬆症の予防は「骨折を防ぐ」ための基本

高齢者に多い骨折の例
骨粗鬆症を防ぐことは、将来的な骨折リスクを減らし、健康で自立した生活を送るための大切な第一歩です。

骨粗鬆症予防におすすめの食べ物5選

1. 乳製品・発酵乳製品

乳製品の例

効果

カルシウムとビタミンDの主要供給源。

・骨密度の維持や骨折リスクを低減する効果があります。

取り入れ方

・牛乳:1日600ml以下が適量。過剰摂取は骨折リスクを高める可能性があります[1]

・ヨーグルト:1日150gを目安に。

・チーズ:1日30g程度がおすすめ。

なぜ摂りすぎはNG?

●牛乳を大量に摂取すると、乳糖やガラクトースが炎症を引き起こす可能性があるためです[1]

●ヨーグルトやチーズのような発酵乳製品は腸内環境を整え、より効果的に骨密度を保つことができます[2]

2. 果物(プルーン・アーモンド)

プルーン、アーモンドの例

プルーン

ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、骨密度維持に役立ちます。

1日50g(5〜6個)を目安に[3]

アーモンド

カルシウム・マグネシウム・ビタミンEが豊富。

破骨細胞の活性を抑制する作用があります。

1日28g(約20粒)をおやつ感覚で摂取するのがおすすめ[3]

3. 豆類(大豆・ひよこ豆)

大豆とひよこ豆の例

植物性タンパク質やミネラルが豊富で、サラダやスープに使いやすい食材。

●手軽に満腹感を得られるため、日常的に摂取しやすいのもポイントです。

4. 青魚(イワシ・アジ・サバ缶など)

青魚の例

効果

カルシウム・ビタミンD・オメガ3脂肪酸を豊富に含みます。

・ビタミンDはカルシウム吸収を促進し、骨形成をサポートします。

取り入れ方

・骨ごと食べられる青魚を週3回、1回あたり85~140g摂取するのがおすすめ。

・缶詰は調理の手間が省けるため、忙しい人にも最適です。

5. 緑黄色野菜(ブロッコリー・小松菜・ほうれん草)

緑黄色野菜の例

効果

・骨形成を助けるビタミンK・ビタミンCが豊富に含まれています。

・緑黄色野菜を十分に摂取することで、骨折リスクを18%低下させる効果があるとされています[5]

取り入れ方

1日400gの野菜**を目標に、スムージーや副菜として取り入れましょう。

骨粗鬆症予防のためにできるその他の工夫

1. 適度な運動

ウォーキングの様子
ウォーキングや軽い筋力トレーニングは、骨密度を高めるために効果的です。

2. 日光浴

ウォーキングの様子

・日光を浴びることで、ビタミンDが体内で生成されます。

1日15~30分程度の日光浴を習慣にしましょう。

まとめ

骨粗鬆症を予防するための食べ物として、以下の5つを日常的に取り入れることが推奨されます。
 

1. 乳製品・発酵乳製品(ヨーグルト150g、チーズ30gが目安)

2. 果物(プルーン50g、アーモンド28g)

3. 豆類(大豆製品やひよこ豆を週2~3回)

4. 青魚(イワシ、アジ、サバ缶を週3回以上)

5. 緑黄色野菜(ブロッコリー、小松菜、ほうれん草などを1日400g)

 
さらに、日光浴や適度な運動を組み合わせることで、骨粗鬆症の予防効果がより高まります。日々の生活習慣を少し見直し、未来の健康を守りましょう!

参考文献

  1. Michaëlsson K, et al. Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies. BMJ. 2014 Oct 28;349:g6015.
  2. Ong AM, et al. Fermented Milk Products and Bone Health in Postmenopausal Women: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials, Prospective Cohorts, and Case-Control Studies. Adv Nutr. 2020 Mar 1;11(2):251-265.
  3. Harvard Health Publishing. Surprising foods that boost bone health: Try these tasty options to diminish bone breakdown and lower your odds of fractures. Harvard Women’s Health Watch. 2023 Jan 1.
  4. Koh WP, et al. Gender-specific Associations Between Soy and Risk of Hip Fracture in the Singapore Chinese Health Study. Am J Epidemiol. 2009;170(7):901-909.
  5. Malmir H, et al. Fruit and Vegetable Consumption and the Risk of Bone Fracture: A Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluations (GRADE)-Assessed Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis. JBMR Plus. 2023;7(11):e10772.