中山クリニック

フレイル予防!今すぐできる「片足立ち」のやり方と効果とは? 〜健康寿命を延ばす

掲載日:2025.04.08(最終更新日:2025.04.15)

年齢とともに感じる下半身の衰え、あきらめていませんか?実は65歳を過ぎても、自宅でできる簡単な運動で驚くほど改善できるのです。今回は毎日の生活がもっと楽しく健康になる「1分間で下半身が若返る運動」について、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。

————目次————
1.高齢になると、なぜ転びやすくなるの?
2.「フレイル」って何?
3.たった1分で10歳若返る!?
4.「10歳若返る」とはどういうこと?
5.片足立ち(フラミンゴ体操)のやり方
6.さらに効果を高めたい方に:応用編
7.コツと注意点
8.毎日1分の「アンチエイジング習慣」

高齢になると、なぜ転びやすくなるの?


年齢を重ねると「足がふらつく」「つまずきやすい」「外に出るのが怖くなる」と感じることが増えてきますよね。
 
実際、世界保健機関(WHO)の報告では、65歳以上の3人に1人が毎年転倒しており、80歳以上では2人に1人が転倒しています。
 
転倒は太ももの付け根や背骨の骨折を生じ、場合によって寝たきりや介護が必要となる原因になります。高齢者が転倒する主な理由は次の3つです。
 

  1. 脚の筋力低下
  2. バランス感覚(平衡感覚)の衰え
  3. 体幹(お腹周り)の筋力の低下

「フレイル」って何?


フレイルとは、健康と要介護の中間にある状態を意味します。
たとえば「転ぶのが怖くて外出を控える → 筋力が落ちる → さらに転びやすくなる」という悪循環に入ると、フレイルのリスクが高まります。
でも、適切な運動を毎日少しずつ続けることで、フレイルは予防できます!

たった1分で10歳若返る!?


今回、おすすめしたいのが、片足立ち(フラミンゴ体操)です。 この片足立ちは、シンプルながらアンチエイジング(若返り)効果があることが、以下の研究で証明されています。

1分間の片足立ちはウォーキング53分に匹敵?

ある研究では、片足立ちを1分間行うことで、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部)にかかる刺激が、なんと53分間のウォーキングに匹敵することがわかりました[1]
つまり、運動量が少なくなりがちな高齢者でも、骨や筋肉にしっかり刺激を与えることができる運動なのです。

骨・筋肉・バランスの機能を一気に高める

片足立ちを1日3回 毎日行うことで、
 

脚やお尻の筋力がアップし[2]

体幹の安定感が増し

バランス感覚(平衡感覚)が高まる[3]ことで、

 
転倒の予防や骨粗しょう症の予防につながると考えられています。
片足立ちは、重力に逆らうように筋肉を使うので、体幹や膝周りの筋肉が強くなり、膝の痛みを改善する効果もあります。まさに、一石五鳥ともいえる運動です!

「10歳若返る」とはどういうこと?


「たった1分で10歳若返る!」というのは決して大げさではありません。みなさん、片足立ちは平均何秒できると思いますか?以下のデータをご覧ください[4]

60代の片足立ち平均時間:33秒

70代:18秒

80代:6秒

 
この片足立ちは、加齢とともに保持時間が短くなります。片足立ちができない原因は、筋力不足、バランス感覚の低下が原因です。けれども、諦めないでください。
 
なんと、このトレーニングを継続することで、平均10秒から15秒ほど改善するのです。
 
たとえば80代で6秒しか立てなかった方が20秒立てるようになると、70代の平均を超えることになります。つまり、「片足立ちトレーニングをすることで、10歳若返った」と言えるのです。片足立ちのコツは何でしょう?
それは、毎日、継続することです。数日では片足立ちの効果は得られないでしょう。
 
けれども、医療介護現場では肩足立の効果が報告されており、アンチエイジング(加齢による機能低下の予防)にとても有効な方法として注目されています。

片足立ち(フラミンゴ体操)のやり方

やり方はとても簡単で、運動が苦手な方でも安心して始められます。

【基本の方法】

  1. 壁やテーブルのそばに立つ(転倒を防ぐため)
  2. 足を肩幅に開き、背筋を伸ばして立つ
  3. 片足を5cmほど持ち上げる(つま先が床から離れればOK)
  4. 目は前を向いて、そのまま1分キープ!

 
はじめは10秒や20秒でも大丈夫です。
 
まずは「今、自分が何秒できるか」チェックしてみましょう。慣れてくると腰に手を当てます。

さらに効果を高めたい方に:応用編

レベルアップ①:足を軽く振る


片足立ちのまま、浮かせた足を前後や左右に軽く振ります。
体幹(お腹まわり)やお尻の筋肉がより働くようになります。

レベルアップ②:目を閉じる

目を開けての片足立ちに慣れてきたら、目を閉じて行ってみましょう。
視覚情報がなくなることで、バランス力が大きく向上します。

レベルアップ③:首を左右や上下に動かす


首を左右にゆっくり振ってみましょう。
これは、歩行中に振り向いたときの転倒防止訓練になります。

コツと注意点

【効果を出すコツ】

・背筋をまっすぐに、お腹に軽く力を入れましょう

・視線は少し前方の床に固定すると安定します

・呼吸を止めず、リラックスして行ってください

【注意点】

・必ず壁やテーブルなどの支えがある場所で行いましょう

パーキンソン病や脳卒中の後遺症がある方は、無理をせず介助者と一緒に行ってください

・転倒が心配な方は、椅子の横など安全な環境で行ってください

毎日1分の「アンチエイジング習慣」


「外を歩くのが怖い」「雨の日は運動できない」そんな時でも、
この片足立ちは自宅で簡単にできて、しかも高い効果が期待できる運動です。慣れてくると、歯磨きや台所で家事をしながら、隙間時間にでもできるフレイル予防運動ですね。
 

●下半身の筋力アップ

●骨粗しょう症の予防

●転倒防止

●膝の痛みの改善

 
そして、最大10歳若返る可能性
 
毎日1分ずつ3回、無理なく続けてみてください。1ヶ月後には「以前より長く立てる!」という実感が湧くはずです。慣れてきたら、こちらの運動も試してみましょう。また筋力をつけるには栄養や睡眠も大事です。脚の筋力がつけば、いつまでも自分の脚で歩けることで健康寿命を延ばすことができます。笑顔と健康で楽しい生活を過ごしましょう。
 
「知らないと損する1分間運動」、今日からあなたも始めてみませんか?

引用文献

  1. 阪本桂造. (1997). Mechanical Stress と骨 ― 大腿骨頸部骨折予防のためのダイナミックフラミンゴ療法. CLINICAL CALCIUM, 7(10), 1231-1238.
  2. Sakai A, Oshige T, Zenke Y, et al. (2010). Unipedal standing exercise and hip bone mineral density in postmenopausal women: a randomized controlled trial. J Bone Miner Metab, 28(1):42-8.
  3. Marcori AJ, Monteiro PHM, Oliveira JA, et al. (2022). Single Leg Balance Training: A Systematic Review. Percept Mot Skills, 129(2):232-252.
  4. Morioka S, Fukumoto T, Hiyamizu M, et al. (2012). Changes in the equilibrium of standing on one leg at various life stages. Curr Gerontol Geriatr Res, 2012:516283.

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