中山クリニック

膝の内側が痛い 治し方は?

掲載日:2025.04.10(最終更新日:2025.04.10)

膝の内側が痛む原因はひとつではなく、以前に解説した5つの代表的な疾患が関係しています。セルフストレッチやマッサージでも痛みが続く場合は、医療機関で専門的な治療が必要になります。それぞれの特徴や治療法をしっかり知識として得ることで、健康な膝を守っていきましょう。

————目次————
1.鷲足炎(がそくえん)
2.タナ障害
3.半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
4.変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
5.膝壊死(ひざえし)
6.まとめ:膝の内側の痛み、放っておかないで!

鷲足炎(がそくえん)


膝の内側にある「鷲足」という部分は、3つの筋肉の腱がくっつくところで、運動や日常の動きでよく使われます。ここに炎症が起きて痛みが出るのが「鷲足炎」です。

どんな人がなりやすい?

・中高年の女性
・急に運動を始めた人
・体重が増えて膝に負担がかかっている人

治療法


まずはストレッチやリハビリで、太ももやふくらはぎの筋肉のバランスを整えます。
痛みが強い場合は、エコーガイド下でのステロイド注射が有効で、正確に注射できるため安全性も高いです[1]
 
さらに、痛みが続く場合は次のような治療を行うことがあります。
 
体外衝撃波治療:患部に刺激を与えて血流を改善

PRP療法:自分の血液から修復を促す成分を注射する再生医療

 
いずれも手術になることはほとんどありません。

タナ障害


膝の中には「タナ(滑膜ヒダ)」というヒダ状の膜があります。これが腫れたり、膝の骨とこすれたりすることで炎症が起き、膝の内側が痛くなるのが「タナ障害」です。

どんな人がなりやすい?

・成長期の子どもや学生
・スポーツ選手
・階段の昇り降りが多い人

治療法

ストレッチや筋トレ:特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える
関節鏡手術:症状がひどい場合にタナを切除。小さな傷で済むため回復も早いです。

ただし、手術が必要になることは少なく、多くの場合リハビリで改善します[2]。

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)


膝の中にはクッションのような役割をする「半月板(はんげつばん)」という軟骨があります。これがすり減ったり、切れたりすると痛みや引っかかり感が出てきます。

どんな人がなりやすい?

・スポーツで膝をひねった人
・階段で膝に負担をかけた人
・高齢者

治療法

まずはMRIで詳しく検査します。状態に応じて以下の治療を行います。
 
ヒアルロン酸注射:関節のすべりをよくして痛みを軽くする
関節鏡下手術:切れた半月板を縫ったり、取り除いたりする
再生医療(APS療法):自分の血液から痛みを抑える成分を取り出し、注射で治療
 
痛みが軽く、断裂が安定している場合はヒアルロン酸注射や再生医療で治療します。しかし膝を動かすと引っかかる感じがする、膝の曲げ伸ばしが完全にできない、スポーツ選手や動けないほどの痛みがある方には、関節鏡下半月板縫合術などの手術が適応になります。

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)


年齢を重ねると、膝の軟骨がすり減り、骨の形が変わって膝が痛むようになります。これが「変形性膝関節症」です。

どんな人がなりやすい?

・50代以上の女性
・O脚の方
・肥満体型の方

治療法(進行度により異なる)

初期~中期

●ヒアルロン酸注射
●ストレッチや筋トレ(リハビリ)

進行期(軟骨がほとんど残っていない場合)


矯正骨切り術(HTO):O脚をまっすぐに直して膝の内側にかかる負担を減らす手術。スポーツを続けたい人や、人工関節を避けたい人におすすめ。
人工膝関節置換術(TKA):70歳以上など、関節がかなりすり減っている場合に行う人工関節の手術。

手術以外の選択肢(再生医療)

APS療法(自己タンパク溶液注射)
脂肪由来幹細胞移植:お腹などの脂肪から細胞を採取し、培養して幹細胞として、痛んだ膝に注射する治療
 
これらの再生医療は「どうしても手術はしたくない」という方に選ばれることが増えてきています。

膝壊死(ひざえし)

膝の骨の一部に血が通わなくなり、骨が壊れてしまう病気です。「大腿骨内顆骨壊死」などと呼ばれます。突然痛くなることが多く、変形性膝関節症と似た症状が出ます。

発見のポイント

レントゲンでは初期には異常が出ないことが多く、MRI検査で正確な診断ができます[3]

治療法

軽度の壊死

●ヒアルロン酸注射や痛み止め
APS療法などの再生医療

壊死が進んでいる場合

骨切り術(HTO)
片側人工膝関節置換術(UKA):膝の片側だけを人工関節に置き換える手術。全置換よりも膝の機能を残せます。

また、最近の研究では、内側半月板の「後根」が切れると膝壊死につながることが分かってきました[3]
つまり、半月板の小さな損傷を早く見つけて治せば、壊死を防げる可能性もあるということです。

まとめ:膝の内側の痛み、放っておかないで!


膝の内側が痛い場合、以下のような多くの原因が考えられます。

原因 主な治療
鵞足炎 ストレッチ、注射、体外衝撃波、PRP療法
タナ障害 ストレッチ、筋トレ、関節鏡下手術
半月板損傷 関節鏡下手術、骨切り術、APS療法
変形性膝関節症 骨切り術、人工関節、再生医療(APS・幹細胞移植)
膝壊死 MRI診断、骨切り術、人工関節、再生医療(APS・幹細胞移植)

 
どの病気も、**早めに正確な診断を受ければ、重症化を防げる可能性があります。**
 
中山クリニックでは、保存療法から最先端の再生医療、手術まで一人ひとりに合った治療を提案しています。「膝の内側が痛いな…」と感じたら、無理に我慢せず、ぜひ整形外科専門医に相談してみてくださいね。
 

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引用文献

  1. Lee JH, Lee JU, Yoo SW. *Accuracy and efficacy of ultrasound-guided pes anserinus bursa injection*. J Clin Ultrasound. 2019 Feb;47(2):77-82. doi: 10.1002/jcu.22661.
  2. Koshino, T., & Okamoto, R. *Incidence of medial plica in 3889 knee joints in the Japanese population*. Arthroscopy. 2011;27(11):1480–1485. doi: 10.1016/j.arthro.2011.06.023
  3. Robertson DD, et al. *Meniscal root injury and spontaneous osteonecrosis of the knee: an observation*. J Bone Joint Surg Br. 2009 Feb;91(2):190-5. doi: 10.1302/0301-620X.91B2.21097

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