中山クリニック

CPAP療法とは?睡眠時無呼吸症候群の検査と治療法について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群の様子
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする病気です。この状態が続くと、体に十分な酸素が取り込めず、日中の強い眠気や集中力の低下、高血圧や心疾患のリスク上昇など、様々な健康障害を引き起こす可能性があります。

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CPAP療法とは?仕組みと効果

CPAP療法について

CPAP療法機器
AirSense11は、ResMedグループ企業の商標及び登録商標です。©ResMed
CPAP療法(シーパップ療法)とは、「Continuous Positive Airway Pressure(経鼻的持続陽圧呼吸療法)」の略で、睡眠中の無呼吸を防ぐために、気道に空気を送り続ける治療法です。この治療法では、専用の機器を使って、鼻や口に装着したマスクから気道に一定の圧力で空気を送り込むことで、睡眠中に喉や気道が塞がるのを防ぎます。これにより、無呼吸や低呼吸の発生が大幅に抑えられ、体内にしっかりと酸素を取り込めるようになります。

CPAP療法のメリットとデメリット

CPAP療法の様子
CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対して最も効果的とされる治療法の一つです。しかし、すべての治療法に利点と課題があるように、CPAP療法にも「メリット」と「デメリット」が存在します。導入をご検討の方に向けて、あらかじめ知っておきたいポイントを解説します。

CPAP療法のメリット

  1. 無呼吸・低呼吸の劇的な改善:CPAPを使用することで、睡眠中の気道の閉塞を防ぎ、安定した呼吸が保たれます。
  2. いびきの軽減:多くの方で、CPAP導入によりいびきが軽減または消失します。
  3. 生活習慣病の予防、進行抑制:未治療のSASは高血圧、糖尿病、心疾患などのリスクを高めることが知られています。CPAPによってこれらのリスクを下げることが期待されます。
  4. 日中の眠気や集中力の改善:良質な睡眠が確保されることで、日中の強い眠気や注意力散漫といった症状が改善され、生活の質(QOL)が向上します。

CPAP療法のデメリット

  1. マスク装着の違和感:鼻や口に装着するマスクに慣れるまでは、息苦しさや締め付け感、寝返りのしにくさなどの不快感を感じる方もいます。
  2. 機器の騒音:最新のCPAP機器は静音性が高くなっていますが、敏感な方には動作音が気になることがあります。
  3. 継続使用が必要:CPAPは「根本的な治療」ではなく「対症療法」のため、使用をやめると無呼吸症状が再発します。効果を維持するには継続的な使用が前提です。
  4. 旅行、出張時の携帯:自宅外でも治療を継続するため、専用バッグなどでCPAP機器を持参する必要があります。

CPAP療法を始めるには?当院での診療の流れ

当院の睡眠時無呼吸症候群の検査の流れと治療

1.診察および問診

睡眠中のいびき、日中の眠気、起床時の頭痛などの症状について、医師が詳しくお話をうかがいます。必要に応じて、既往歴や生活習慣についてもお聞きします。

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※内科・消化器内科のご予約をお取りください

2.睡眠検査を実施(簡易PSG・Full PSG)

当院と提携している企業様へ連絡し、ご自宅で行える睡眠検査キットを郵送依頼します。祝日を除く3営業日以内で検査キットが届きますので、睡眠中の呼吸状態や酸素飽和度などを計測します。※検査は自宅で受けることができ、1晩で終わります。

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3.結果説明と診断

約2週間で当院へ検査結果が郵送されるため、再度来院していただきます。検査結果をもとに、医師が睡眠時無呼吸症候群の有無や重症度についてご説明いたします。

4.治療方針のご提案

検査結果に応じて、最適な治療方法をご提案します。治療には、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)、マウスピース療法、管理栄養士による栄養指導などがあります。

5.治療の開始とフォローアップ

CPAP療法などの導入が決まった場合は、月に1回診察させていただき、定期的なフォローアップを通じて治療効果を確認します。治療中の疑問や不安についても、随時ご相談いただけます。

CPAP療法が適している方の例

イビキがうるさい様子

CPAP療法は、すべての睡眠時無呼吸症候群の方に必要なわけではありません。特に次のような特徴がある方には、高い効果が期待されます。

 

✅毎晩、大きないびきをかいていると家族に指摘されている方

✅睡眠中に「呼吸が止まっていた」と言われたことがある方

✅朝起きたときに頭が重い、だるさが残ると感じる方

 

これらに該当する方は、早めに医師の診察を受けて、適切な検査と治療を受けることが大切です。症状が軽度の場合でも、将来の健康リスクを防ぐ目的で、早期介入が勧められるケースもあります。

よくある質問

睡眠時無呼吸症候群を放置しているとどうなりますか?

睡眠中に呼吸がたびたび止まることで、体は酸欠状態に陥り、少ない酸素を全身に送り届けようと心臓や血管に過剰な負担がかかるようになります。このような状態が慢性的に続くことで、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、さまざまな生活習慣病を引き起こす原因となります。実際、健康な方と比較すると、脳卒中の発症リスクは約3.5倍、心不全は約4.3倍、不整脈は約3.3倍に上昇すると報告されています。さらに、1時間あたりの無呼吸回数が20回以上となる「中等症」から「重症」に分類される場合、7〜8年後にはおよそ20〜30%の方が脳梗塞や心筋梗塞などの重大な心血管イベントを発症するとの報告もあります。こうしたリスクを未然に防ぐためには、早期の診断と適切な治療の開始が極めて重要です。

睡眠検査や治療には保険が使えますか?

はい、当院で実施している睡眠検査やCPAP療法は、保険が適用されます。

睡眠検査の費用はいくらですか?

簡易PSG検査は3割負担:2700円、Full PSG検査は3割:11250円となります。別途、診察料がかかりますのでご了承ください。

睡眠検査は入院しないといけませんか?

当院で実施している睡眠検査は、入院の必要はありません。ご自宅で行っていただけるPSG検査を導入しており、就寝前に小型の測定機器を装着していただくだけで、睡眠中の呼吸状態を記録することができます。この検査で使用する機器は、入院による精密検査(終夜ポリソムノグラフィー)と比較しても、測定項目や精度に大きな差はなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断において十分な信頼性を備えています。

CPAP療法に使用する機器は毎日使わないといけませんか?

はい、効果を十分に得るためには毎晩継続して使用することが大切です。途中で使用をやめると、無呼吸の状態が再び起こり、症状が悪化する可能性があります。

CPAP療法に使用する機器は外出時や旅行先でも使用できますか?

はい、CPAP機器は持ち運びが可能で、旅行先や出張先でも使用できます。

一度始めたら一生続けなければいけませんか?

すべての方が一生続けなければならないわけではありません。体重の減少や生活習慣の改善により、無呼吸の症状が軽くなり、CPAPが不要になるケースもあります。定期的な診察・検査を通じて、継続の必要性を判断します

アクセスマップ

アクセス方法

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〒674-0071 明石市魚住町金ヶ崎370
国道2号線沿いの三菱マテリアルコベルコツール西隣

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神姫バス・金ヶ崎、金ヶ崎東口より徒歩3分