中山クリニック

股関節が痛い方必見!やってはいけない5つの動作【変形性股関節症】

掲載日:2024.10.07

今回は日本人の女性に多い「変形性股関節症」について、特にやってはいけない動作と対処法をご紹介します。足の付け根の痛みや歩行困難に悩まされている方、このコラムは必見です!
高齢者

————目次————
1.変形性股関節症とは
2.どんな症状?
3.やってはいけない5つの動作
4.股関節痛の治し方:日常生活での対策
5.最新の治療法:再生医療の可能性
6.MRI検査の重要性
7.まとめ:股関節の健康を守るために
8.あなたの股関節の健康を守るために
9.参考文献

変形性股関節症とは

正常な股関節像 臼蓋形成不全の像

股関節の痛みは、日常の生活にとても支障をきたします。歩くたびに股関節違和感や痛みを感じ、階段の上り下りが辛くなり、しゃがむのができなくなる、足の爪を切ったり靴下を履くのも大変など。時には股関節がゴリゴリする音がすることも!さらに股関節が痛い時には睡眠にまで影響を及ぼすこともあります。この痛みの原因の一つが「変形性股関節症」です。変形性股関節症は、年齢とともに進行して発症率が高くなります。日本人では、発達性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)という股関節の受け皿にあたる骨が少ない(股関節臼蓋形成不全)と変形性股関節症になるケースが約90%と言われています。つまり、日本では変形性股関節症の原因として、股関節臼蓋形成不全であることが最も多いのですね。

どんな症状?

股関節が痛い様子
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、骨と骨がこすれ合うことで痛みが生じる疾患です。主な症状には次のようなことが起こります。
 

  1. 足の付け根や太ももの付け根、お尻の付け根の痛み
  2. 歩行時の痛み
  3. 股関節の動きが悪くなる(股関節可動域が制限)
  4. 朝のこわばり感

 
これらの症状は、年齢や性別、体重の超過(いわゆる肥満)、重労働や激しい運動、遺伝的要因、足の付け根の骨折(大腿骨頚部骨折)や骨盤の骨折などが原因で発症します。日本では、股関節の屋根に当たる臼蓋が発達していないために変形性股関節症に進行するのは、特に40代以降の女性に多く見られる傾向があります。

やってはいけない5つの動作

やってはいけない
変形性股関節症の方が避けるべき動作について、最新の医学研究を基に5つの重要なポイントをご紹介します。
 

  1. 深いしゃがみ込み:股関節に大きな負担がかかるため、避けるべきです。トイレや床の物を拾う際は注意が必要です。深いしゃがみ込み姿勢は股関節の周囲を覆う軟骨(股関節唇)に負荷がかかり、股関節痛を引き起こす原因になります[1]
  2. 急激なひねり動作:股関節を急に回転させる動きは、痛みを悪化させる可能性があります。特に、ゴルフのスイングなどの動作には注意が必要です。
  3. 和式の生活:正座やあぐら、こたつ、和式トイレなどは、日本の伝統的な生活様式ですが、股関節に負担がかかります。イスやベッド、ソファ、洋式トイレなどで過ごす生活スタイルにしましょう。日本の伝統的な座り方ですが、股関節に負担がかかります。床に直接座るのではなく、クッションに座るなど工夫しましょう。
  4. 高強度の運動:ジャンプや急な動きと方向転換をするスポーツ、格闘技や重量挙げなど、衝撃の大きい運動は避けましょう。ランニングは股関節に体重の約5倍の負荷がかかるという報告があります[2]
  5. 重量物の持ち上げと長時間の立位での仕事:股関節に持続的な負担がかかるため、定期的に休憩を取ることが重要です。重量物を持ち上げる仕事と長時間の立ち仕事は、変形性股関節症のリスクとして報告されています[3]

 
これらの動作を避けることで、症状の悪化を防ぐことができます。しかし、全く動かさないことも関節にはよくないのです。適度な運動と休息のバランスが重要なのです。

股関節痛の治し方:日常生活での対策

変形性股関節症の症状を改善するには、日常生活での工夫が欠かせません。次に効果的な対策をご紹介します。
 

  1. ストレッチと軽い運動:ストレッチとエクササイズで股関節の痛みと機能が改善したという質の高いエビデンスがあります。股関節周囲の筋肉をゆっくりとストレッチすることで柔軟性を保ち、ストレッチを8週間継続すると痛みが軽減し、股関節の可動域を広げる効果があります。水中ウォーキングなどの低負荷の運動も効果的です。適度なストレッチと低強度の有酸素運動を組み合わせることで、変形性股関節症患者の痛みが約30%減少し、機能が20%向上したことが報告されています[4]
  2. 適切な姿勢の維持:座る時は股関節を深く曲げ過ぎないように心がけましょう。必要に応じてクッションを使用するのも良いでしょう。長時間同じ姿勢を取らないように心がけましょう。
  3. 体重管理:過度の体重は股関節への負担を増加させます。適切な食事と運動で体重管理を行いましょう。歩くと股関節には体重の約2.5倍の荷重がかかります。つまり5kgダイエットすると、股関節は12.5kgもの負担が減ります[2]
  4. 適切な靴の選択:クッション性の高い靴を選ぶことで、歩行時の衝撃を軽減できます。例えば、生卵をフローリングの上に落とすと割れますが、布団の上に落としても割れないのと同じ原理ですね。

 
これらの対策を日常的に実践することで、症状の改善や進行の抑制が期待できます。

最新の治療法:再生医療の可能性

再生医療
変形性股関節症の治療において、近年とても注目を集めているのが再生医療です。血液を利用したAPS治療や再生能力が旺盛な脂肪幹細胞を用いた治療法が画期的な結果を示しています。患者さん自身の組織から抽出した間葉系幹細胞を股関節に注入することで、軟骨の再生を促進し、痛みを軽減できる可能性が示されています[5]。この研究では、治療を受けた患者の70%以上が6ヶ月後に顕著な痛みの軽減と機能の改善を報告しました。この幹細胞を用いた治療法は、従来の手術療法と比べて低侵襲であり、回復も早いという利点があります。自身の細胞を利用するのでアレルギー反応が起こらず、損傷した組織を治す安全な治療です。ただし、まだ臨床応用が始まったところの治療法であり、長期的な効果や安全性については更なる検証が必要です。

MRI検査の重要性

MRI検査装置
変形性股関節症の正確な診断と適切な治療方針の決定には、MRI検査がとても重要です。MRIは、レントゲン撮影では見つからない骨折や軟骨、関節唇の損傷も確実に診断できます。そのほか、レントゲン撮影では見えない骨の中の状態、関節に水が溜まっているか、靭帯や筋肉、周囲の軟部組織の状態を詳細に観察することができます。

MRI検査によって次のような情報が得られます

  • ・軟骨の損傷の程度
  • ・骨の有無や浮腫の有無
  • ・周囲の筋肉や靭帯の評価

 
これらの情報は、適切な治療法の選択や病状の経過観察に欠かせない、とても重要な検査になります。

まとめ:股関節の健康を守るために

変形性股関節症は、適切な対処と生活習慣の改善により、症状が悪化しないようにすることができます。以下の点を心掛けましょう。
 

  • ・過度の負担がかかる動作を避ける
  • ・適度な運動と安静のバランスを取る
  • ・日常生活での対策を実践する
  • ・最新の治療法に注目する
  • ・MRI検査で早期発見・早期治療を心がける

 
股関節の痛みは放置せず、早めの対応が重要です。症状が気になる方は、お近くの整形外科専門医への相談をおすすめします。

あなたの股関節の健康を守るために

院長先生
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参考文献

  1. Lamontagne, M., et al. (2009). The effect of cam FAI on hip and pelvic motion during maximum squat. Clinical Orthopaedics and Related Research, 467(3), 645-650.
  2. van den Bogert AJ, et al. An analysis of hip joint loading during walking, running, and skiing. Med Sci Sports Exerc. 1999 Jan;31(1):131-42.
  3. Sulsky SI, et al. Epidemiological Evidence for Work Load as a Risk Factor for Osteoarthritis of the Hip: A Systematic Review. PLoS ONE. 2012;7(2):e31521.
  4. Fransen M, McConnell S, Hernandez-Molina G, Reichenbach S. Exercise for osteoarthritis of the hip. Cochrane Database Syst Rev. 2014 Apr 22;(4):CD007912.
  5. Mardones, R., et al. (2017). Cell therapy for hip osteoarthritis: a randomized controlled trial. Journal of Hip Preservation Surgery, 4(1), 6-13.