「膝の内側が痛くて歩くのがつらい…」
「階段の昇り降りが苦痛…」
 
そんなお悩みを抱えていませんか？
膝の痛みは放置すると 変形性膝関節症 や 半月板損傷 に進行し、最終的に手術が必要になるケースもあります。しかし、 適切なセルフケアを行えば症状の悪化を防ぎ、痛みを和らげることが可能 です。

今回は、整形外科医が 医学的根拠に基づいた「膝の内側の痛みを改善するセルフケア」 を解説します。

————目次————
1．膝の内側の痛みの主な原因とは？
2．セルフストレッチで柔軟性を向上
3．筋力トレーニングで膝を支える
4．マッサージで血流を促進
5．日常生活で気をつけるポイント
6．まとめ
7．参考文献

膝の内側の痛みの主な原因とは？

膝の内側が痛くなる主な原因には、次のような疾患が考えられます。

鷲足炎（がそくえん）

膝の内側にある「鷲足」と呼ばれる部分に炎症が起こり、歩行時や階段の昇り降りで痛みを感じることが特徴です。

変形性膝関節症

膝の軟骨がすり減ることで関節に負担がかかり、膝の内側が痛くなることがあります。進行すると膝の変形が進み、手術が必要になることも。ことが特徴です。

内側半月板損傷

膝をひねる動作が多いスポーツや、加齢による摩耗が原因で半月板が傷つき、痛みや腫れを引き起こします。

タナ障害

膝の中にある「滑膜ヒダ（タナ）」が炎症を起こし、引っかかるような痛みを感じます。特に階段を降りるときに痛みが強くなるのが特徴です。
 

これらの症状を軽減するために、自宅で簡単にできるセルフケアを紹介します！

２．セルフストレッチで柔軟性を向上

膝の内側の痛みを改善するためには、太ももの裏側（ハムストリング）を柔らかくすることが重要です。
ハムストリングが柔軟性を失うと、膝関節に過剰な負荷がかかりやすくなり、膝痛みや軟骨へのダメージに繋がります。特に鷲足炎や変形性膝関節症、半月板損傷にはハムストリングのストレッチが効果あります^[1]。

💡 おすすめストレッチ

✅ハムストリングストレッチ

→ 床に座り、片足を伸ばして前屈する。（30秒×3セット）

✅ 内もも（内転筋）ストレッチ

→ あぐらの姿勢で膝を軽く押しながら伸ばす。（30秒×3セット）

 
🔍ストレッチの詳しい方法はこちらの動画で解説！

３．筋力トレーニングで膝を支える

膝関節を安定させるためには、大腿四頭筋とハムストリングを鍛えることがとても重要です。
大腿四頭筋訓練によって、大腿四頭筋に付着した“Articularis genus（アルティキュラリス ジェヌ）”という筋肉が、滑膜ヒダを持ち上げる働きをしていると報告^[2]されており、大腿四頭筋をしっかり鍛えるとタナ障害の予防や改善に効果があります。半月板損傷や変形性膝関節症、膝壊死の場合も、しっかり筋力をつけることで膝への負担を減らし、保存療法の効果を高めることができます。

💡 おすすめ筋トレ

✅ レッグエクステンション

→ 椅子に座り、片足を伸ばして5秒キープ。（10回×2セット）

✅ スクワット（膝に負担をかけない範囲で）

→ 膝を曲げすぎないように浅めのスクワット。（10回×2セット）

 
🔍 トレーニングの実践動画はこちら！

４．マッサージで血流を促進

膝の痛みを軽減するために、セルフマッサージも効果的です。
マッサージは整体やリラクゼーションではなく、自分でやるというのがポイントです。実際に変形性膝関節症に対してセルフマッサージが膝の痛みや階段の登り降りなどの機能を有意に改善するという報告^[3]があります。マッサージで痛みや筋力が良くなるというのは末梢神経の血流が良くなるからではないかと言われています。実際にエコーで確認しながら神経の周りを優しくポンプのように動かすと、膝の周りの神経の血流が改善されます。

💡 セルフマッサージの方法

✅ 太もも全体をやさしくさする

✅ 円を描くようにもみほぐす

✅ 神経の流れを改善するポイント（膝の内側を軽く押さえる）

 
🔍 マッサージの詳しいやり方は動画でチェック！

５．日常生活で気を付けるポイント

膝の痛みを予防するために、普段の生活で意識すべきポイントを紹介します。

✅ クッション性の高い靴を履く

→ 衝撃を吸収し、膝への負担を軽減。

✅ 体重管理を意識する

→ 体重1kg増えると、膝には3〜5kgの負担がかかる。

✅ 膝に負担のかかる姿勢を避ける

→ 正座や和式の生活は控えめに！ソファや椅子を活用する。

６．まとめ

🔹膝の内側の痛みは、ストレッチ・筋トレ・マッサージで改善できる！

🔹膝に負担をかけない生活習慣を心がけよう！

🔹痛みが続く場合は整形外科を受診することが大切！

 
「膝の痛みが気になる…」という方は、 今日からセルフケアを始めませんか？
しかし、痛みが続く場合は、必ずお近くの整形外科で診察を受けましょう。
 
＼中山クリニックは、あなたの軟骨を守って痛みのない笑顔と健康で明るい生活をサポートします！／

参考文献

1. Giuffrida A, Saggio G, Gagliardi S, Catalano S, Licandro SA, Rosa MA. Modern treatment of meniscal tears. EFORT Open Rev. 2018;3(5):260-268.
2. Camanho GL, et al. RESULTS OF TREATMENT OF PLICA SYNDROME OF THE KNEE. Acta Ortop Bras. 2021 Mar-Apr;29(2):72-75.
3. Atkins DV, Eichler DA. The effects of self-massage on osteoarthritis of the knee: a randomized, controlled trial. Int J Ther Massage Bodywork. 2013;6(1):4-14.

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