肩が上がらない原因 TOP5
掲載日:2025.04.02
肩が痛くて全然腕が上がらない……そんな経験はありませんか? たとえば洗濯物を干そうと手を上げようしても思うように肩が上がらない、肩に力が入らない、あるいは上の棚にある荷物が取れないなど。肩 が 上がらない、肩 上がらない 痛いなどの症状は、放置していると仕事はもちろん、日常生活でも本当に困りますよね。
肩が上がらない理由をよく知らないまま、「そのうち治るだろう」と考えている人は意外と多いものです。しかし、肩の痛みや動きにくい状態(可動域制限)が長引くと、どんどん悪くなって、治療に時間がかかる場合もあります。特に「肩 急に 上がらない」「 肩 上がらない 痛い」など、「ただの五十肩だと思っていたら別の病気だった」というケースは珍しくありません。たとえば、肩腱板断裂は早期に発見できれば保存療法や内視鏡による手術でしっかりと治りますが、放置していると断裂が大きくなり、治療がどんどん大変になることもわかっています[1]。
今回のコラムでは、「肩が上がらない原因ランキングTOP5」を5位から1位まで解説し、それぞれの特徴や治療の流れをわかりやすく説明します。このコラムを読むことで「自分の場合はこういう可能性があるかもしれない」「この症状は早めに整形外科の受診をしてみよう」という気づきが得られるようになります。
1.第5位:変形性肩関節症
2.第4位:頚椎神経根症
3.第3位:石灰沈着性腱板炎
4.第2位:五十肩(肩関節周囲炎)
5.第1位:肩腱板断裂
6.原因別の特徴と対処法
7.【まとめ】
8.引用文献
第5位:変形性肩関節症
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Q. 変形性肩関節症ってどんな病気?
肩関節の軟骨がすり減り、骨が変形してしまう状態です。レントゲンで診断できます。年齢とともに生じる変性が主な原因で、いわゆる膝の変形性関節症と同じように、肩でも軟骨が摩耗すると痛みや運動障害が起きます。加齢に伴うケースが多いですが、肩腱板断裂が長期間放置され、関節が不安定になって変形が進む「腱板断裂性関節症」にも注意が必要です[2][3]。
症状
肩を動かすときにゴリゴリ、バキバキといった音が鳴りやすい。痛みや動かす範囲が狭くなるのが少しずつ進行していく。
治療
保存療法では痛み止め、リハビリ、ヒアルロン酸注射治療を行うことが多い。重症化すると人工肩関節置換術が必要になるケースもある[4]。
「自分の肩は年のせいだろう」という思い込みで放置していると、変形が進んでより大がかりな治療が必要になる場合があります。早めに整形外科で画像検査を受け、どの程度変形が進んでいるかをチェックすることが大事です。
第4位:頚椎(けいつい)神経根症
Q. 頚椎と肩の痛みがどう関係あるの?
首の骨である「頚椎」からは神経が伸びていますが、この神経が肩や腕の筋肉を動かしたり、皮膚の感覚をつかさどったりしています。よって、首の骨にある椎間板ヘルニアや骨のとげ(骨棘)が神経を圧迫すると、肩や腕に痛みやしびれを自覚します。MRIで診断します。
症状
「腕を上げづらい」「肩だけでなく腕全体がしびれる」「首を動かすと痛みが強まる」など。肩の筋肉や腱が原因ではなく、頸椎の神経が炎症を起こすのが原因で肩の痛みや腕が上がらないなどの症状が生じる[5]。
治療
痛み止めや神経ブロック注射、リハビリなどの保存療法が中心。ひどい神経圧迫があり、長期にわたって症状が続く場合は手術が検討される[6]。
もし「首をひねると肩の痛みが強くなる」ような方は、肩が上がらない原因が頚椎にあるかもしれません。特に指や手にしびれがある場合は、首の状態も含めてチェックしてもらいましょう。
第3位:石灰沈着性腱板炎
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Q. なぜ肩に“石灰”がたまるの?
肩の腱板(けんばん)という部分にリン酸カルシウムなどが沈着してしまう病気です。石灰沈着の原因はよくわかっていませんが、腱の中にたまると、ある日突然激痛が走ることがあります。
症状
「夜中に急に肩がズキズキ痛み出した」「腕を上げるなんてとんでもないほど痛い」など、肩が上がらない 夜も眠れないほどの鋭い痛みに襲われることが特徴[7]。
治療
保存療法で痛みを和らげ、炎症を抑える。注射や薬で痛みが改善することも多い。激痛の時にエコー下に石灰を吸引する方法は劇的に効果がある。石灰が大きくたまっている場合は、関節鏡での石灰除去手術を行うこともある[8]。
石灰沈着は、運動のしすぎや加齢、血行不良などが原因と考えられています。中には重症化する方もいるので、「肩の痛みがなかなか治まらない」「激痛が何度も繰り返す」というときは早めに整形外科で診てもらいましょう。
第2位:五十肩(肩関節周囲炎)
年齢が高くなると起きやすい症状として有名な「五十肩」。正式には「肩関節周囲炎」といい、関節を取り囲む組織(靭帯・腱・関節包など)に炎症が起きる状態です。
症状
肩の痛み(特に腕を上に上げる動きや後ろに回す動き)が目立ち、夜に痛みで目が覚めることもある。
治療
痛みのある「炎症期」→ 肩が固まる「凍結期」→ 徐々に解凍されるように動くようになる「回復期」と進み、1~2年かけて自然に治っていくケースもある[9]。五十肩を最速で治す方法はこちら。
ただし、五十肩と似た症状でも、実は肩腱板断裂が隠れている場合があるのが怖いところです。自己判断で「どうせ五十肩だろう」とほうっておくと、腱板断裂が大きくなってしまうケースもあります[2]。念のため整形外科で検査(レントゲン・MRIなど)を受け、他の病気がないか確認するのが安心です。
第1位:肩腱板断裂
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Q. 肩腱板断裂って何が起こっているの?
肩関節を動かすためには複数の筋肉の腱が肩甲骨と上腕骨をつないでいます。これらの腱が集まって腱板を作り、肩を安定させています。この腱板が傷つき、部分的あるいは完全に切れてしまう状態が「肩腱板断裂」です。エコーやMRIで診断します。
症状
「手を上げようとしても力が入らない」「高い場所の物がとりにくい」「夜眠れないほど肩が痛む(夜間痛)」など。
リスク
年齢とともに腱板の組織は弱くなりやすいが、スポーツなどで肩を酷使している若者にも起こる可能性がある。放置すると断裂が拡大し、変形性肩関節症や腱板断裂性関節症へ進むリスクが高まる[2][3]。
治療
痛みが少なければリハビリや注射などの保存療法から始めることが多い。痛みが強い、断裂が大きい、若くてスポーツ復帰が必要などの場合は肩関節鏡での手術を検討[1][4]。術後はリハビリが重要で、早期に無理な動きをすると再断裂リスクも上がる[4]。
肩腱板断裂は自然治癒が期待しにくく、痛みや上げづらさを繰り返すうちに断裂が大きくなる傾向があることが報告されています。MRIによる検査で正確に状態を把握できます。「思い当たる節がある」「症状が長引いている」という場合は早めの受診が得策です[9]。
原因別の特徴と対処法
第5位 変形性肩関節症
・ 加齢や長期的な負荷で肩の軟骨がすり減って生じる
・ 放置すると関節の変形が進み、さらに痛みや可動域制限が強くなる
第4位 頚椎神経根症
・ 首の骨(頚椎)のヘルニアや変形により神経が圧迫
・ 肩や腕のしびれ・痛み・筋力低下を感じる場合は首の問題かも
第3位 石灰沈着性腱板炎
・ 腱板に石灰がたまることで急性の強い痛みが出る
・ 痛みが落ち着いたあともリハビリや注射が必要になることがある
第2位 五十肩(肩関節周囲炎)
・ 年齢とともに起こりやすいが、40代や60代、さらに若い世代でも似た症状を経験することもある
・ 自然治癒することが多いが、他の疾患との区別が重要
第1位 肩腱板断裂
・ 腱板が切れてしまい、痛みや腕が上がりにくい症状が続く
・ 放置すると断裂が拡大し、手術が大がかりになるケースも
・ MRIで早期に診断し、必要に応じてリハビリ・手術を検討
まとめ
肩が上がらない原因はとても多岐にわたります。肩が上がらない原因で最多の肩腱板断裂をはじめ、石灰沈着性腱板炎や頚椎神経根症など、思わぬ病気が隠れていることもあります。特に肩腱板断裂は、自然治癒が期待しにくく、放置している間にどんどん断裂が進んでしまうリスクがあるため[2]、早めに整形外科専門医で診察を受けてMRI検査をすることが大切です。
また、一見「五十肩かな?」と思っていたら実は腱板が切れていた……というケースも珍しくありません。早めに原因がわかることで、効果的な保存療法や手術で改善が期待できるのです。
引用文献
- Zumstein MA, et al. The clinical and structural long-term results of open repair of massive tears of the rotator cuff. J Bone Joint Surg Am. 2008.
- Safran O, et al. Natural history of nonoperatively treated symptomatic rotator cuff tears in patients 60 years old or younger. Am J Sports Med. 2011.
- Kukkonen J, et al. Treatment of Nontraumatic Rotator Cuff Tears: A Randomized Controlled Trial with Two Years of Clinical and Imaging Follow-up. J Bone Joint Surg Am. 2015.
- Moosmayer S, et al. Tendon repair compared with physiotherapy in the treatment of rotator cuff tears: a randomized controlled study in 103 cases with a five-year follow-up. J Bone Joint Surg Am. 2014.
- Rhee JM, et al. Cervical radiculopathy. J Am Acad Orthop Surg. 2007.
- Kuijper B, et al. Cervical radiculopathy: conservative versus surgical treatment: a prospective, randomized study. Eur Spine J. 2009.
- Uhthoff HK, et al. Calcifying tendinitis of the rotator cuff: Pathogenesis, diagnosis, and management. J Am Acad Orthop Surg. 1997.
- de Jesus JO, et al. Accuracy of MRI, MR arthrography, and ultrasound in the diagnosis of rotator cuff tears: a meta-analysis. AJR Am J Roentgenol. 2009.
- Kim HM, et al. Factors affecting satisfaction and shoulder function in patients with a recurrent rotator cuff tear. J Bone Joint Surg Am. 2014.
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