特定保健指導って何?特定保健指導の通知を無視したらどうなる?
掲載日:2024.12.06
特定保健指導は、特定健康診査(特定健診)の結果、生活習慣の改善が必要であると判断された方に対して実施される指導のことです。本記事では、特定保健指導の対象者や選定基準、通知を受けた際に特定保健指導を受けなかったらどうなるのかについて解説します。
目次
1.特定保健指導とは
2.対象者と選定基準は?
3.メタボリックシンドロームとは?
4.特定保健指導には2種類ある
5.特定保健指導の通知が来たら
6.特定保健指導を受けないとどうなる?
7.まとめ
8.よくある質問
特定保健指導とは
特定保健指導とは、健康診断の結果、生活習慣病の発症のリスクが高く、生活習慣を改善すべきと判断された方を対象に行われる指導のことです。保健師や管理栄養士などの専門職が生活習慣を改善できるようにサポートを行います。
特定保健指導の対象者と選定基準は?
特定保健指導の対象者は40歳から74歳までの被用者保険や国民健康保険の加入者で、特定健診の結果(いわゆるメタボリックシンドローム)の結果に基づいて実施されます。
- 腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)
- BMI(肥満度を示す指標。BMIが25以上はリスクが高い)
- 血圧(収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上)
- 血糖値(空腹時血糖100mg/dL以上、HbA1c 5.6%以上)
- 血清脂質(中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満)
メタボリックシンドロームとは?
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪の蓄積により、高血圧、高血糖、脂質異常症といった症状が同時に現れる状態を指します。自覚症状はほとんどないものの、放っておくと動脈硬化が急速に進行し、心臓病や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こすリスクを高めます。ですが、健診結果に基づいて生活習慣を改善することにより、予防・改善することが期待できます。
特定保健指導には2種類ある
特定保健指導は、メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、「動機付け支援」と「積極的支援」の2種類に分けられます。
①動機付け支援
管理栄養士などの専門職が、対象者と生活習慣を振り返ったうえで、ライフスタイルにあった目標・行動計画を設定し、生活習慣を改善できるようサポートします。栄養や運動、そのほか生活習慣に関する保健指導を行い、対象者が指導終了後、すぐに生活習慣改善に向けた取り組みを実践できるようにするのが目的です。
1人20分以上の個別面談を実施したのち、3~6ヶ月後に電話や手紙などで身体状況や生活習慣に変化が見られたかについて確認します。
②積極的支援
動機付け支援と同様に、対象者と生活習慣を振り返ったうえで、ライフスタイルにあった目標を設定し、改善に向けて行動を続けられるようサポートします。厚生労働省は、積極的支援の望ましいあり方を以下のように定めています。
- 支援期間:3ヶ月
- 指導:20~30分程度の個別支援、または80分程度のグループ支援
- 回数:最低1回以上
- 評価:対面による中間評価および6ヶ月後の評価で身体状況や生活習慣の変化について確認する
特定保健指導の通知が来たら
①指導を受ける準備をする
健診結果や日々の生活習慣について、事前に整理しておくと指導がスムーズに進みます。特に、食事内容や運動習慣について具体的に振り返りましょう。
②指導を受けてみよう
指導内容は無理のない範囲で生活に取り入れられる内容になっています。まずは特定保健指導を実施している医療機関を受診しましょう!
③フォローアップも忘れずに
指導後も継続して生活習慣を見直すことが大切です。特定保健指導には継続的なサポートが含まれている場合があるので、積極的に活用しましょう。
特定保健指導を受けないとどうなる?
特定保健指導の対象者を選ぶ基準は、主にメタボリックシンドロームのリスク数です。特定保健指導を受けずに放置すると、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病だけでなく、それらが原因となる心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる疾患を引き起こします。
特定保健指導は、これらの病気の発症を未然に防ぎ、健康を維持するための貴重な機会です。通知を受けた場合は放置せず、早めに指導を受けて生活習慣を見直しましょう!
まとめ:管理栄養士に相談してみよう!
健康的な生活を送るための最初の一歩は、食生活を見直すことから始まります。
しかし、
『どこから始めたらいいかわからない』
『一人で始めるのは難しい』
と感じる方も多いのではないでしょうか?
そんな時は、明石市の中山クリニックの管理栄養士にご相談ください!
当クリニックでは、経験豊富な管理栄養士が一人ひとりの健康状態やライフスタイルに合わせた個別プランを作成し、マンツーマンで丁寧にサポートいたします。
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※特定保健指導をご希望の方は、内科のご予約をお取りください
よくある質問
特定保健指導を受けるのに費用はかかるのでしょうか?
被保険者(ご本人)は無料で特定保健指導を受けられます。一方で、被扶養者(ご家族)の場合、費用は実施機関によって異なるため、事前に確認することをお勧めします。
特定保健指導は強制ですか?
強制ではありませんが、特定保健指導の対象者になられた方は、自覚症状がないまま進行する生活習慣病(心筋梗塞、脳卒中、糖尿病等)を発症する危険があります。
国はなぜ特定保健指導を推進しているのですか?
メタボリックシンドロームが、生活習慣病の大きな一因となっているという学説に基づき、内臓脂肪を減らすことで生活習慣病の対策、ひいては将来の医療費削減につなげたいと考えているようです。