中山クリニック

【要注意】お腹まわりの脂肪増加が生活習慣病の引き金に?管理栄養士が対策を徹底解説

掲載日:2025.03.26(最終更新日:2025.03.27)

最近、お腹まわりの脂肪が気になる…
健康診断でメタボリックシンドロームのリスクがあると言われた
 
お腹まわりの脂肪が気になり始めたら、それは単なる体型の問題だけでなく、健康への重要なサインかもしれません。特に内臓脂肪の蓄積は、メタボリックシンドローム(メタボ)と深く関わっており、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気につながる危険性が高まります。本コラムでは、メタボの危険信号と、今日から始められる効果的な対策について、管理栄養士の視点から詳しく解説します。

メタボの状態

1.お腹まわりの脂肪はなぜ危険?

内臓脂肪型肥満
メタボリックシンドローム(以下、メタボ)とは、内臓脂肪型肥満に加えて高血糖、高血圧、脂質異常のうち2つ以上を併せ持つ状態を指します。これは、動脈硬化の進行を促し、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を引き起こす要因になります。
 
厚生労働省が定めるメタボの診断基準は以下の通りです。

必須項目

●腹囲:

男性85cm以上、女性90cm以上

以下のうち2項目以上に該当

●高血圧:

収縮期血圧130mmHg以上 または 拡張期血圧85mmHg以上

●高血糖:

空腹時血糖110mg/dL以上

●脂質異常:

中性脂肪150mg/dL以上 または HDLコレステロール40mg/dL未満

2.お腹まわりの脂肪を引き起こす主な原因とは?

リンゴ型肥満、洋ナシ型肥満の様子
ここで大切なのは、内臓脂肪が皮下脂肪よりも健康被害を招きやすいという点です。内臓脂肪は、腹腔内にある臓器の周りにつく脂肪であり、エネルギーの過剰摂取や運動不足、ストレスなどによって比較的短期間で蓄積しやすい特徴があります。皮下脂肪は皮膚のすぐ下に溜まる脂肪で、女性に多い「洋ナシ型肥満」として知られていますが、内臓脂肪は男性に多くみられる「リンゴ型肥満」とも言われ、生活習慣病のリスクをより高めるとされています。

3.見逃していませんか?メタボ予備軍のサイン

メタボの進行は自覚症状が少なく、気づかないうちに進行します。以下の項目に当てはまるかセルフチェックしてみましょう。
 

●お腹まわり(腹囲)が大きくなった

●体重が増加し、特にウエスト周りに脂肪がついた

●運動不足が続いている

●食事の内容が偏っている(高脂質・高糖質)

●健康診断で血圧や血糖値の異常を指摘された

 
もし、複数当てはまる場合は、メタボの可能性があるため、生活習慣の改善が必要です。

POINT日常生活で、体重が増えやすくなったり、以前より疲れやすくなったと感じることも、メタボの兆候である可能性があります。

4.メタボ放置で危険な病気に?気をつけたい5つの疾患

メタボを放置すると、健康リスクが一気に高まります。日々の生活の中で何気なく感じる疲れや体の重さ、それは単なる加齢のせいではなく、メタボが進行しているサインかもしれません。放置すれば、将来的に健康を損ない、生活の質を大きく低下させることにもつながります。

動脈硬化

動脈硬化
内臓脂肪の蓄積により、血管が狭くなり弾力を失うことで血流が悪化します。結果として血管が詰まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが大幅に上昇します。また、酸素や栄養が十分に供給されないことで、全身の機能低下にもつながります。

心疾患・脳血管疾患

心疾患・脳血管疾患
高血圧や脂質異常症の影響で、血流が悪くなり心臓や脳への血液供給が不足します。その結果、狭心症や心筋梗塞、脳卒中を発症しやすくなります。これらは突然発症することが多く、命に関わるケースもあるため注意が必要です。

糖尿病

糖尿病
内臓脂肪が過剰になると、インスリンの働きが低下(インスリン抵抗性)し、血糖値が慢性的に高い状態になります。これにより糖尿病が発症し、神経障害、腎症、網膜症といった深刻な合併症のリスクが高まります。

高血圧

高血圧
脂肪が血管を圧迫し、血液の流れを妨げることで血圧が上昇します。高血圧の状態が続くと心臓への負担が増し、心不全や脳卒中を引き起こす可能性があります。また、腎臓への負担も大きくなり、腎機能障害の原因になることもあります。

脂質異常症

脂質異常症
内臓脂肪が増えると、血中の悪玉コレステロール(LDL)が増加し、善玉コレステロール(HDL)が減少します。これにより血管の壁に脂質が蓄積し、動脈硬化が進行します。血栓ができやすくなることで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。

5.今すぐ実践!お腹まわりの脂肪を減らす具体策

メタボ改善の食事管理
食事をコンビニ弁当で済ませていたり、甘いものや揚げ物ばかり食べる生活をしていませんか?メタボの改善には、食生活の見直しが不可欠です。まずは実践できそうなところから取り組んでみましょう!
 

●野菜中心の食事にする:食物繊維を多く含む野菜を積極的に摂る

●糖質を適量に抑える:白米やパンの摂取量を見直し、低GI食品を選ぶ

●良質なタンパク質を摂取する:魚、大豆製品、鶏肉などを意識的に摂る

●水分をしっかりとる:水やお茶をこまめに摂取し、代謝を促す

●塩分を控えめにする:高血圧予防のために減塩を意識する

関連記事:食べて痩せる!ダイエットに最適な食材10選【管理栄養士監修】

6.まとめ

まとめ
お腹まわりの脂肪が気になり始めたら、それはメタボの警告かもしれません。しかし、今からでも間に合います。正しい食事管理と運動習慣を取り入れることで、メタボは確実に改善できます。栄養バランスの取れた食事を意識しながら、無理なく続けられる健康習慣をスタートさせましょう。

7.管理栄養士に相談してみよう!

健康的な生活を送るための最初の一歩は、食生活を見直すことから始まります。
しかし、
どこから始めたらいいかわからない
一人で始めるのは難しい
と感じる方も多いのではないでしょうか?
そんな時は、明石市の中山クリニックの栄養相談をぜひご利用ください!
中山クリニック
当クリニックでは、経験豊富な管理栄養士が一人ひとりの健康状態やライフスタイルに合わせた個別プランを作成し、マンツーマンで丁寧にサポートいたします。
 
あなたの健康目標を達成するための最初の一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?

特定保健指導の詳細はこちらをご覧ください

8.よくある質問

お腹まわりが出ているのとBMIが高いのはどちらが危険?

どちらも健康リスクの指標になりますが、内臓脂肪型肥満は生活習慣病のリスクを特に高めます。BMIだけでなくウエスト周囲径もチェックし、内臓脂肪の増加が疑われる場合は早めに対策をとりましょう。

メタボはどのくらいの期間で改善できますか?

早い人で3か月程度で改善が見られますが、長期的な継続が重要です。

どのような食事がメタボに良いですか?

野菜・魚・大豆製品を中心にし、糖質や脂質の摂取を適度に抑えた食事が理想的です。

低糖質ダイエットは効果的ですか?

糖質制限は一定の効果がありますが、極端な制限は栄養バランスを崩す可能性があります。適度な糖質コントロールを行いながら、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。

食事の時間が不規則なのですが、それでもダイエットできますか?

食事の時間が不規則でも、総摂取カロリーや栄養バランスを整えればダイエットは可能です。ただし、夜遅くに高カロリーの食事をすると脂肪がつきやすいので、なるべく軽めの食事にし、就寝までの時間をあけるなど工夫しましょう。

食事制限だけでお腹の脂肪を減らせる?

体重を減らすことは可能ですが、筋肉量が落ちると基礎代謝も低下し、リバウンドしやすい体質になります。食事制限と適度な運動を併せて行うことで、健康的かつ持続的に脂肪を減らすことが望ましいです。

運動の前に何か食べたほうがいい?

運動前に軽くエネルギー源(バナナなど)を摂ることで、運動時のパフォーマンスが向上し、脂肪燃焼を効率的に行えます。ただし、食事直後の激しい運動は避け、運動前の1〜2時間を目安にして摂取するとよいでしょう。

お腹の脂肪を部分的に落とす運動はある?

部分痩せという概念は基本的には難しく、全身の脂肪燃焼が進む中でお腹の脂肪も減少していくのが一般的です。ただし、腹筋運動や体幹トレーニングはお腹まわりの筋肉を強化して引き締め効果を高めることができます。

お腹まわりの脂肪を短期間で落とすにはどうしたらいいですか?

短期間で大幅に脂肪を落とすのは体に大きな負担をかける可能性があります。適度なカロリーコントロールと有酸素運動、筋トレを組み合わせることで徐々に減量することが安全かつ効果的です。