美肌サプリのカギはこの成分!美肌をサポートするサプリの正しい選び方【管理栄養士監修】
掲載日:2025.03.31(最終更新日:2025.04.07)
肌のハリや透明感を保ちたい、シミやくすみを目立たなくしたいと考える女性は多いと思います。そんなときに活用したいのが、サプリメントです。近年は「肌が白くなるサプリ」や「肌のハリにいいサプリ」など、さまざまな栄養素や美容成分を含むサプリが登場し、その選択肢が急増しました。本コラムでは、管理栄養士の監修のもと、美肌に効果が期待できるサプリメントの成分や選び方を詳しく解説します。
1.美肌と栄養の基本:肌は何からできているの?
2.美肌サプリの代表的な成分と働き
3.肌にいいサプリを選ぶポイント
4.肌が白くなるサプリは本当にある? その根拠と注意点
5.食事とのバランスとサプリの活用法
6.肌のハリを高めるサプリメントの効果的な取り方
7.まとめ
8.よくある質問
9.引用文献
1.美肌と栄養の基本:肌は何からできているの?
私たちの肌は、表皮・真皮・皮下組織という三つの層から成り立っています。中でも真皮にはコラーゲンやエラスチンといったタンパク質が多く含まれており、これらが肌のハリや弾力を保つうえで大きな役割を担います。さらに、表皮のターンオーバー(新陳代謝)が正常に機能していると、肌のくすみや乾燥が起きにくく、健康的な肌を維持しやすくなります。
しかし、現代の忙しい生活の中で十分な睡眠や栄養バランスを確保するのは容易ではありません。偏った食事やストレス、加齢によるホルモンバランスの変化などが重なると、肌のターンオーバーが乱れ、シミやシワ、たるみなどの原因になることも。そのような悩みを抱える方のなかには、サプリメントで栄養を補い、美肌を目指したいと考える方も多いのではないでしょうか。
2.美肌サプリの代表的な成分と働き
ここでは肌が白くなるサプリやサプリで美肌を考えるうえで知っておきたい代表的な成分をご紹介します。いずれも日々の食事から摂取したい栄養素ですが、食事だけでは不足しがちな場合にサプリメントを活用してみましょう!
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を助ける役割を持ち、肌のハリを保つうえで欠かせない栄養素です。また、メラニンの生成を抑制し、シミやそばかすを予防する働きも期待できます。さらに抗酸化作用も高いため、紫外線などの外部刺激から肌を保護するサポートにもなります。ただし水溶性のため体内に貯蔵されにくく、一度に大量摂取しても排泄されやすい特徴があるため、こまめな摂取がポイントです。
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性のビタミンで、活性酸素を除去して細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用が期待できます。血行を促進することで肌のターンオーバーを正常化することにもつながり、くすみやシワの予防に役立ちます。ビタミンEは油とともに摂取することで吸収率が高まりますが、摂りすぎると逆に体調不良の原因になる可能性もあるため、サプリを利用する際は配合摂取量に注意が必要です。
コラーゲン
コラーゲンは肌の弾力やハリを支える真皮層の主要なタンパク質です。加齢とともに体内で生成される量が減少するため、サプリメントで摂取して補うという考え方があります。最近では低分子化されたコラーゲンペプチドも登場しており、体内への吸収を高める商品が多数販売されています。肌のハリを意識している方にとっては注目の成分でしょう。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は保水力に優れた成分であり、肌の水分量を保持するために重要な働きを担っています。体内のヒアルロン酸が不足すると、乾燥によるシワやたるみが進行しやすくなります。外用の化粧品でも保湿成分としてしばしば配合されますが、サプリメントとして摂取することで全身的に保水力をサポートできる可能性が期待されています。
なお、これらの成分にはそれぞれ推奨摂取量や注意点があるため、正しい知識を持って活用することが大切です。
その他の注目成分
- プラセンタ:動物由来や植物由来のエキスで、アミノ酸や成長因子を含むため、美容効果が注目されています。
- セラミド:細胞間脂質の一種で、角質層のうるおいを守るうえで重要。外用化粧品だけでなくサプリでも取り入れる動きがあります。
- L-シスチンやビタミンB群:肌のターンオーバーを促進し、代謝を整えることで美肌をサポートする栄養素としてよく知られています.
3.肌にいいサプリを選ぶポイント
肌にいいサプリと言われる商品は数多く存在しますが、本当に自分に合ったものを見つけるには、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。
目的や悩みに合った成分を選ぶ
シミが気になる人はビタミンCやL-シスチンなど色素沈着にアプローチしやすい成分、乾燥による小ジワやたるみが気になる人はコラーゲンやヒアルロン酸など保湿・ハリをサポートする成分、というように、自分の肌悩みとの相性が大切です。「肌が白くなるサプリ」として宣伝されていても、実際には美白ではなく、くすみ対策中心の成分であるケースもあります。パッケージの表示成分やメーカーの情報をしっかり確認しましょう。
信頼できるメーカーやエビデンスをチェック
サプリメントは医薬品と異なり、厳密な審査を経ずに市場に出回る場合も多いため、信頼できるメーカーを選ぶのが重要です。具体的には、製品に関する研究データや品質管理の体制、第三者認証の有無などを確認すると安心です。厚生労働省や消費者庁のガイドラインに沿った表示が行われているかもポイントです。
含有量と摂取目安を確認
せっかくサプリで栄養を摂取しても、含有量が極端に少なかったり、逆に過剰だったりすると十分な効果が得られない可能性があります。特にビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンは過剰摂取に注意が必要です。パッケージや公式サイトに記載されている摂取目安量を守りましょう。
4.肌が白くなるサプリは本当にある? その根拠と注意点
「肌が白くなるサプリ」という言葉は非常に魅力的ですが、実際にサプリを飲んだだけで劇的に肌の色が変わるわけではありません。サプリメントが得意とするのは、体内で必要な栄養を補給し、新陳代謝をサポートすることでメラニンの産生や蓄積を抑える、といった間接的なアプローチです。
肌の色を左右するメラニンの仕組み
メラニンは肌を紫外線などのダメージから守るためにつくられる物質です。日常生活で受ける紫外線量を完全にゼロにすることは不可能であるため、ある程度のメラニンが生成されるのは自然な反応です。したがって、メラニンの生成を必要以上に妨げることは、肌の防御機能を損なうリスクも考えられます。
効果が期待できる成分と注意点
「肌が白くなるサプリ」として注目される成分には、ビタミンCやL-シスチン、トラネキサム酸などがあります。これらはメラニン生成を抑制するメカニズムが解明されており、シミやくすみを防ぐサポートをしてくれる可能性があります。ただし、これらの成分を摂取したからといって即座に大幅なトーンアップが期待できるわけではありません。あくまで日々のスキンケアや紫外線対策と組み合わせて活用することで、総合的な美肌ケアの効果が見込めるということです。
サプリの過剰摂取は肝臓や腎臓への負担、ほかの栄養素のバランスを崩す危険性もあります。特にトラネキサム酸は医薬品としても用いられる成分で、長期的な過剰摂取には注意が必要です。
5.食事とのバランスとサプリの活用法
サプリメントはあくまで補助的な役割です。バランスの良い食事をベースに、足りない栄養を補うのが理想的な使い方と言えます。以下では、サプリメントと食事のバランスを考える際に役立つポイントをご紹介します。
三大栄養素のバランスを整える
肌の細胞をつくるのは主にタンパク質です。したがって、肌の材料となるタンパク質を適度に摂ることは欠かせません。また、エネルギー源となる炭水化物や脂質も、不足しすぎるとホルモンバランスの乱れにつながったり、肌に必要な脂質が不足したりと逆効果になる場合があります。サプリに頼る前に、まずは食事全体のバランスを見直すことが大切です。
抗酸化物質やビタミン・ミネラルを食事で補う
ビタミンCやビタミンE、ベータカロテン、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、フルーツや野菜、ナッツ類、緑茶などから摂取できます。サプリメントだけではなく、普段の食事でこれらの栄養を積極的に取り入れることで、より健康的で持続的な美肌効果が期待できます。
タイミングや飲み合わせにも配慮
サプリメントの吸収率は、摂取するタイミングや組み合わせによって大きく変わることがあります。たとえば脂溶性ビタミンは食後の脂質と一緒に摂取すると吸収が良くなります。また、ビタミンCは水溶性なのでこまめに分けて摂るほうが効率的です。このような基本的なポイントを押さえるだけでも、サプリの効果を最大化しやすくなります。
6.肌のハリを高めるサプリメントの効果的な取り方
肌のハリ不足を感じる原因の一つは、コラーゲンやエラスチンなど真皮層の主要構成成分が加齢とともに減少し、肌の弾力が失われることにあります。肌のハリを重視したコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸入りのサプリメントは、こうした加齢による変化にアプローチする目的で設計されています。ただし、その効果を実感するためには、以下のような点に留意しましょう。
1. 継続的な摂取
肌のターンオーバーには個人差はありますが、約28日から40日前後かかるとされています。そのため、サプリメントの摂取も短期間で結果を求めるのではなく、少なくとも1〜2か月は継続することが理想です。
2. 相乗効果を生む成分との組み合わせ
コラーゲンの合成にはビタミンCが欠かせません。そのため、コラーゲンペプチドに加えてビタミンCが配合されているサプリメントを選ぶと、相乗効果を得られやすいと考えられています。また、他にも亜鉛や鉄などのミネラルも肌代謝には重要です。
3. 規則正しい生活と合わせる
いくらサプリだけで栄養を補っても、睡眠不足や過度なストレス、過激なダイエットなどが続けば、肌のハリを取り戻すことは難しいでしょう。質の良い睡眠や適度な運動を心がけ、体全体の健康を維持したうえでサプリを活用することが、より効果的なアプローチとなります。
7.まとめ
今回のコラムでは、サプリで美肌を目指すうえで押さえておきたい栄養素や具体的な選び方・活用法について解説しました。ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化ビタミン、コラーゲンやヒアルロン酸といった肌のハリや保湿に寄与する成分など、さまざまな種類の肌にいいサプリメントが存在します。一方で、サプリメントだけですべての肌悩みを解消できるわけではないという点も忘れてはなりません。
8.よくある質問
サプリと医薬品の違いは何ですか?
サプリはあくまで食品であり、医薬品ではありません。医薬品は病気の治療や予防を目的とし、厳しい審査を受けます。サプリは栄養補給を目的とする点で、法的扱いも異なります。
ビタミンやミネラルは食事から摂ればサプリは不要ですか?
食事が十分にバランスよく摂れているのであれば、必ずしもサプリを必要としないケースもあります。しかし、忙しい生活や食事の偏りなどで不足を感じる場合や、特定の栄養素を強化したい場合にはサプリの活用が有効です。
美肌サプリはどのくらいの期間飲めば効果を実感できますか?
個人差がありますが、肌のターンオーバーは約28日~40日とされています。まずは最低でも1~3か月程度継続し、肌の変化を観察するとよいでしょう。ただし、継続する前提であっても、体調や肌に異常を感じた場合は中断しましょう。
栄養サプリを飲むベストなタイミングは?
成分によって異なりますが、一般的に食後が吸収効率が良いとされます。脂溶性ビタミンは食事と一緒、就寝前に摂りたい場合は入浴後など、習慣として続けやすい時間を選びましょう。
複数の美肌サプリを同時に飲んでもいいですか?
成分の重複や過剰摂取、相互作用に注意が必要です。まずは、含有量や推奨摂取量をチェックしましょう。過剰摂取が続くと健康被害を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
サプリだけでなく、外用のスキンケアアイテムとの併用は必要ですか?
サプリは内側からの栄養補給、スキンケアアイテムは外側からの保護や保湿を担当します。両方を組み合わせることで相乗効果が期待できます。
コラーゲンを摂ると本当に肌のハリは良くなりますか?
摂取したコラーゲンは体内でいったんアミノ酸へ分解されます。その後、体が必要に応じてコラーゲンを再合成するため、「摂ったコラーゲンがそのまま肌に行く」わけではありません。しかし、材料となるアミノ酸を十分に供給できるため、コラーゲン生成をサポートし、肌の弾力を保ちやすくなります。
サプリで肌のハリを高めるためには、コラーゲンは必須でしょうか?
コラーゲンは肌の弾力やハリを保つために重要なタンパク質の一種です。食品やサプリで摂取したコラーゲンは体内でアミノ酸として吸収され、肌だけでなく全身の組織に利用されます。コラーゲンを直接増やすというよりも、肌細胞の材料としてサポートする役割と捉えるとよいでしょう。ビタミンCなどを同時に摂取するとさらに効果が期待できます。
サプリで肌にいい成分って何を選べばいいの?
コラーゲン、ビタミンC、ビタミンE、ヒアルロン酸などがおすすめです。肌質や目的に合わせて選ぶと効果的なので、複数を含む複合サプリも人気があります。
サプリで肌のハリを維持するにはどうしたらいい?
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を含むサプリが有用です。食事だけで不足する場合は、サプリを組み合わせて摂取し、継続することが大切といえます。
肌が白くなるサプリは本当に効きますか?
ビタミンCやL-システインなどはメラニン生成を抑えるはたらきがありますが、個人差が大きいです。紫外線対策や生活習慣改善と併用することで、より透明感を期待できます。
肌が白くなるサプリを飲むだけで、本当に肌のトーンが上がりますか?
実際にはサプリメントだけで肌のトーンが飛躍的に上がることは考えにくいです。ビタミンCやL-シスチンなど、メラニン生成を抑制する可能性のある成分が含まれたサプリは美肌の効果があるとして注目されますが、肌色の改善には日常の紫外線対策や食生活、睡眠など総合的なケアも必要です。
ドラッグストアやネット通販で買えるサプリは品質に違いがあるのでしょうか?
製品によって品質や含有量、原料の安全性、製造過程の管理体制が異なる場合があります。公的認証マーク(たとえばGMP認証)を取得しているメーカーや、学術研究データを公表しているメーカーの商品は比較的信頼性が高いと考えられます。購入前に情報収集し、納得できる商品を選びましょう。
引用文献
- Pullar JM, Carr AC, Vissers MCM. The Roles of Vitamin C in Skin Health. Nutrients. 2017;9(8):866.
- Proksch E, Segger D, Degwert J, et al. Oral Supplementation of Specific Collagen Peptides Has Beneficial Effects on Human Skin Physiology: A Double-Blind, Placebo-Controlled Study. Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(1):47-55.
- Hosokawa H, et al. Effect of oral administration of L-cystine on UVB-induced skin pigmentation in healthy volunteers: A randomized, double-blind, placebo-controlled study. J Cosmet Dermatol. 2019;18(6):1783–1790.
- Tanno O, et al. Topical and oral application of niacinamide: Implications for skin barrier function and dermal health. Int J Dermatol. 2021;60(8):949–958.
- Albuquerque KT, et al. B vitamins and skin physiology: A comprehensive review. Nutrients. 2020;12(8):2367.
- Kawada C, Yoshida T, Yoshida H, Tatsuno T, Sakamoto W. Ingested hyaluronan moisturizes dry skin. Nutr J. 2014;13:70.
- 厚生労働省「健康食品」の安全性・有効性情報