中山クリニック

朝食、抜いていませんか?健康を守る“たんぱく質の摂り方”と栄養指導のススメ

掲載日:2025.04.11(最終更新日:2025.04.11)

「朝は忙しくて、つい何も食べずに出かけてしまう…」
そんな生活、続いていませんか?
 
朝食をとらない生活が習慣になると、体の不調や集中力の低下だけでなく、生活習慣病のリスクが高まることがわかっています。特に“たんぱく質”の摂取不足は、筋力低下や代謝の悪化、免疫力の低下など、さまざまな健康問題と関係があります。
 
本記事では、朝食を抜くことの影響や、朝に必要な栄養素「たんぱく質」の正しい摂り方を解説し、毎日の食事を改善する第一歩として“栄養指導”の活用方法もご紹介します。

1.朝食を抜く人が増えている?──その背景と体への影響


近年、20代〜40代を中心に「朝食をとらない」人の割合が増加しています。
 
厚生労働省の『国民健康・栄養調査(令和元年)』によれば、成人男性の約15%、女性の約10%が“朝食欠食者”とされており、
 
とくに若年層では、生活習慣や時間的制約などを背景に、朝食を抜く傾向が他の年代より顕著です。

主な理由としては:

●忙しくて時間がない
●朝は食欲がわかない
●ダイエット中であえて抜いている
●子どもに手がかかり、自分の食事は後回し
などが挙げられます。

しかし、朝食を抜くことで起こる体への影響は少なくありません:

●低血糖による集中力の低下
●代謝の低下(太りやすくなる)
●空腹時間の延長による過食
●慢性的な疲労感やイライラ
●筋肉量の減少と基礎体力の低下

2.“たんぱく質”の働きを知る──なぜ朝に必要?


たんぱく質は、筋肉や内臓、血液、ホルモン、酵素、免疫物質など、体の構造と機能の維持に欠かせない主要な栄養素の一つです。特に細胞の新陳代謝や修復、各種生命活動を調整する働きを担っており、「身体をつくる材料」として極めて重要です。
 
健康な成人の場合、1日に必要なたんぱく質摂取量は、体重1kgあたり約1.0〜1.2gが目安とされています[1](例:体重60kgの人で約60〜72g)。
さらに、筋肉の合成を促進し、代謝バランスを整えるためには、朝・昼・夕の3食に均等に分けて摂取することが推奨されます[2,3]
 
特に朝にたんぱく質を摂ることは、以下の理由から重要です:

◉ 朝のたんぱく質摂取の効果

  1. 睡眠中に低下した血糖・代謝をリセット
  2. 脳と体を目覚めさせる
  3. 午前中の集中力・パフォーマンス向上
  4. 筋肉の合成をサポート(サルコペニア予防にも)

 
たんぱく質は「一度にたくさん」ではなく、「こまめに」摂るのが効果的です。朝を抜くと、昼・夜に一気に偏りがちになり、効率的に吸収されないだけでなく、内臓にも負担がかかります。

3.朝食におすすめのたんぱく質食材と摂り方

【朝に摂りやすいたんぱく質食材一覧】

食材 たんぱく質量(目安) 特徴(わかりやすい解説)
卵(1個) 約6g 手軽に調理できて栄養価が高く、忙しい朝でも取り入れやすい万能食材。
納豆(1パック) 約7g ご飯にのせるだけでOK。発酵食品として腸内環境にも良く、朝に最適。
ヨーグルト(無糖100g) 約4g 冷蔵庫から出すだけですぐ食べられる。消化吸収もよく、胃にやさしい。
豆腐(1/2丁) 約10g のどごしがよく、食欲がない朝にもぴったり。電子レンジで温めても◎。
鶏むね肉(50g) 約12g 脂質が少なく高たんぱく。前日の作り置きで、朝は温めるだけでもOK。
プロテインドリンク 10〜20g 時間がないときの強い味方。栄養補助として取り入れやすい。

忙しい朝の工夫ポイント

●納豆+ご飯+味噌汁の「和朝食」を電子レンジで時短調理
●前日の夜に「おにぎり+ゆで卵」を準備しておく
●豆腐としらす+卵の「簡単たんぱく質丼」
●ヨーグルト+ナッツ+はちみつで栄養バランス◎
 
「少しでも食べる」「たんぱく質を意識する」ことが、朝の体調を大きく左右します。

4.自己流では難しい?「栄養指導」という選択肢


どれだけ良い情報を知っても、自分の生活にどう取り入れればよいか分からない…という方が多いのが現実です。
 
そんなときこそ「栄養指導」が効果的です。
 

✅栄養指導で受けられること:

 

  1. 食生活のチェックと改善ポイントの整理
  2. 朝食の組み立て方・簡単メニューの提案
  3. 食べる時間・順番・栄養バランスのアドバイス
  4. ダイエット中や持病持ちでも安心できる食事設計

 
食事改善は「正しい知識」と「続ける仕組み」の両方が必要です。
自己流で失敗を繰り返すよりも、管理栄養士のサポートを活用する方が、効果的かつ継続しやすくなります。

5.中山クリニックの栄養指導:あなたの生活に合わせたサポート


明石市の中山クリニックでは、医師と管理栄養士が連携し、患者さま一人ひとりに合わせた「実践的な栄養指導」を行っています。朝食の改善や、たんぱく質の取り方など、具体的な課題に合わせてわかりやすくアドバイスします。
 

📌 栄養指導ではこんなサポートが受けられます

●朝の負担を減らす、続けやすい朝食メニューの提案

→ 忙しい方でも手軽に実践できるよう、調理時間や準備の手間を考慮した提案を行います。

●生活リズム・食の好みに合わせたオーダーメイドのアドバイス

 → お一人暮らしやご家族との同居など、日常に寄り添った指導を行います。

●「一人では続かない…」という方のための実践サポート

→ 翌週からの目標づくり、スーパーでの買い物のコツ、簡単なメニュー表の作成なども丁寧にサポートします。

👉 栄養指導の詳細はこちら

6.まとめ:朝食とたんぱく質が、未来の健康を守る第一歩に


朝食を抜く生活、そして慢性的なたんぱく質不足は、気づかないうちに体と心に影響を及ぼします。
 
「何を食べればいいか分からない」
「続かない」
 
と感じている方こそ、栄養指導という専門的なサポートを活用することで、無理なく・確実に生活改善を進めることができます。
 
あなたの健康の土台は、毎日の“食事”にあります。
明日から、まずは「朝、たんぱく質を1品プラスする」ことから始めてみませんか?

7.栄養指導を受けてみよう!


明石市の中山クリニックでは、管理栄養士による栄養指導を通じて、あなたの体調・生活・目標に合わせた食事提案を行っています。
 
朝食のとり方やたんぱく質摂取に不安のある方も、安心してご相談ください。

👉 栄養指導の詳細はこちら

8.よくある質問(Q&A)

Q1. 朝はどうしても食欲がわきません。それでも食べた方がいいですか?

無理にたくさん食べる必要はありませんが、「少しでも口にする」ことで体内のリズムが整います。例えば、ヨーグルト1個やバナナ1本、豆乳などから始めてみると、少しずつ朝食習慣が身についていきます。

たんぱく質を摂りすぎると太りますか?

たんぱく質そのものは脂肪になりにくい栄養素です。ただし、極端な過剰摂取や高カロリー食と組み合わせてしまうと体重増加につながることがあります。適量を、バランスよく摂ることが大切です。

朝プロテインだけでも大丈夫ですか?

時間がないときや食欲がないときには、有効な補助手段です。ただし、たんぱく質以外のビタミンや食物繊維などは不足しやすくなるため、野菜ジュースや果物などを組み合わせるとよりバランスが良くなります。

栄養指導は、どんな人でも受けられますか?

はい、生活習慣病の方はもちろん、健康診断で気になる数値があった方、ダイエットや体力低下が気になる方など、どなたでもご相談いただけます。医師の判断により保険適用となる場合もあります。

 
 

引用文献

  1. 厚生労働省. 『日本人の食事摂取基準(2020年版)』
  2. Wolfe RR. “Branched-chain amino acids and muscle protein synthesis in humans: myth or reality?” J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:30.▶論文を読む(JISSN, 2017)
  3. Deutz NEP et al. “Protein intake and exercise for optimal muscle function with aging: recommendations from the ESPEN Expert Group.” Clin Nutr. 2014;33(6):929–936.▶論文を読む(Clin Nutr, 2014)