そのサプリ、本当に効いてる?30代から始めたい“食生活の見直し”
掲載日:2025.05.09(最終更新日:2025.05.09)
疲れやすい、肌が荒れやすくなった、風邪をひきやすい
――そんな悩みに「とりあえずサプリメントを飲んでいる」という方は少なくありません。
情報があふれる現代では、“何を飲むか”を自分で選ぶことが当たり前になりつつあります。
しかし、サプリメントは万能ではありません。今のあなたに本当に必要な栄養素は何か?それはサプリで補うべきものなのか?を見極めなければ、「なんとなく飲んでる」状態が長く続くだけです。
本コラムでは、30〜60代の健康意識のある方を対象に、サプリメントの正しい付き合い方と“自分に合った栄養の見つけ方”を解説し、栄養指導という選択肢をご紹介します。
1.とりあえずサプリを飲んでいる…は危険?
2.“よくあるサプリの誤解と“ありがちケース”
3.“効いてない”のは本当にサプリのせい?
4.自分に必要な栄養を知るにはどうしたらいい?
5.栄養指導で変わる“選び方”と“続け方”
6.中山クリニックの栄養指導について
7.まとめ:サプリは“最後の調整役”。まずは食生活から
8.よくある質問(Q&A)
1. とりあえずサプリを飲んでいる…は危険?
「最近疲れやすいからマルチビタミンを飲み始めた」
「髪や肌のためにとりあえずコラーゲンのサプリを続けている」
「ダイエット中だからプロテインを飲んで食事は軽めに」
——こんな“なんとなく始めたサプリ生活”、あなたにも思い当たる節はありませんか?
ここ数年、特に30〜60代の働き盛り世代の間で、サプリメントを利用する人が急増しています。その背景には、以下のような現代的な傾向があります:
・健康診断で「軽度異常あり」と言われ不安になった
・忙しくて食生活が乱れがち
・SNSやネットで「〇〇に効く」と話題になると試したくなる
・市販で手軽に手に入る安心感
2. よくあるサプリの誤解と“ありがちケース”
サプリメントに関する誤解は非常に多く、日々の栄養指導の現場でも以下のようなケースが多く見られます。
✖ マルチビタミンで「全部補えている」と思っている
市販のマルチビタミンは便利ですが、「最低限の栄養素が入っている」だけで、万人にとって十分とは限りません。食事内容や体質によって必要量は異なるため、「飲んでいるから安心」と思い込むのは危険です。
✖ プロテインを飲んでいれば、たんぱく質は足りている?
プロテインはたんぱく質を効率よく補えるサポート食品ですが、それ以外のビタミン・ミネラル、脂質、食物繊維などが不足している人が多いのが実情です。しかも、食事で十分なたんぱく質を摂っている人がさらに補給すると、過剰摂取になることも。
✖ 鉄・亜鉛などの単独ミネラルを自己判断で続ける
鉄や亜鉛などは欠乏すると不調が出やすい栄養素ですが、自己判断で長期に摂取すると、逆に他のミネラル(特に銅やカルシウム)の吸収を妨げることがあります。
3. “効いてない”のは本当にサプリのせい?
「1か月飲んだけど、体調に変化がない」
「毎日続けてるのに、なぜか疲れやすいまま」
こうした声はよく聞かれますが、それはサプリの“効果がない”というよりも、“そもそも必要なかった”可能性や、“他の要因が見落とされている”ことが多いのです。
✅食生活が整っていないと、効果を感じにくい
●野菜不足/食事時間のバラつき/朝食欠食
●偏ったダイエット/外食・コンビニに依存
●アルコール・カフェインの過剰摂取
こうした日常の食習慣が乱れていると、どんなサプリを飲んでも“効いている実感”が得られにくくなります。
また、食物繊維や脂質、炭水化物などの基本的な栄養素が足りていないと、ビタミン・ミネラルの吸収効率にも影響が出ます。
✅栄養素は“単独”では働かない
たとえば、ビタミンDは脂質と一緒に摂らないと吸収されにくいことが知られています。また、鉄はビタミンCがないと吸収率が落ちるなど、「飲めば効く」という単純なものではありません。
サプリを飲んでいるのに効果が出ないのではなく、
「今の自分に合っていないサプリを飲んでいる」
「吸収されない飲み方をしている」可能性があるのです。
4. 自分に必要な栄養を知るにはどうしたらいい?
サプリメントを効果的に使いたいなら、まず知っておくべきは「今の自分に何が足りていないか?」を知ることです。
✅健康診断では“栄養の偏り”は分からない
健康診断で異常がないと、「体に問題はない」と思いがちですが、それは病気ではないだけであって、栄養状態が理想的であることとは別問題です。
たとえば、以下のようなケースは“かくれ栄養不足”の代表例です:
・貧血ではないが、フェリチン(貯蔵鉄)が極端に低い
・BMIは正常でも、たんぱく質が足りず筋肉量が少ない
・食事の量は足りているのに、食物繊維やカルシウムは不足している
このような「検査では見えない栄養不足」を放置すると、慢性的な疲労感や免疫力の低下、将来的な骨粗しょう症や生活習慣病のリスクにもつながります。
✅食事記録とヒアリングで「必要な栄養」が見えてくる
こうした“見えない不足”をあぶり出すには、日々の食事内容や生活習慣をプロの目で分析することが必要です。
管理栄養士による栄養指導では、次のようなプロセスで分析を行います:
・3〜7日分の食事記録をもとに摂取栄養素をチェック
・生活リズム・仕事環境・食事内容などをヒアリング
・身体状況や持病に合わせて“過不足リスク”を評価
・食事での改善と、必要に応じてサプリの種類を検討
これにより、「今、自分に必要な栄養素が何か」「食事だけで十分なのか、補助が必要か」が明確になります。
5. 栄養指導で変わる“選び方”と“続け方”
栄養指導というと「制限される」「厳しい食事を求められそう」といったイメージを持たれがちですが、実際には“続けられる改善”を第一にご相談に応じています。
🔍こんな提案ができます
よくある悩み | 栄養指導でのアドバイス例 |
---|---|
サプリをやめたいけど不安 | 食事で補える代替食品を具体的に提案 |
プロテインを飲むべきか迷っている | 運動量・たんぱく質摂取量に応じて適正を判断 |
鉄分不足が心配 | 食事からの吸収率を高める食材の組み合わせを提案 |
疲れやすい | 食事内容の偏り(糖質過多、脂質不足)を是正 |
続かない | 時短調理や市販品の活用方法も一緒に考える |
✅サプリは「足りないところを補う手段」にすぎない
栄養指導では、「サプリを完全に否定する」のではなく、“使いどころ”を見極めて、賢く使う”ことを目的としています。
「マルチビタミンを飲む前に、まず朝食に野菜と果物をプラス」
「プロテインよりも、夕食でたんぱく質のおかずをしっかり食べる」
「鉄サプリよりも、赤身肉や小松菜を取り入れやすい方法を工夫する」
食生活の土台を整えることで、サプリに頼らなくても健康を維持できる体質づくりが目指せます。
6. 中山クリニックの栄養指導について
中山クリニックでは、医師と連携した管理栄養士による個別の栄養指導を行っています。
「このサプリ、本当に必要なのか知りたい」「何が足りていないのか知りたい」といった、“今の自分を正しく知りたい”という方のご相談をお待ちしています。
✅当院の栄養指導の特徴
●完全予約制/個別対応:生活習慣・食事内容・体調に合わせたオーダーメイドのサポート
●医師との連携による安心感:必要に応じて血液検査や体組成のデータも活用
●“続けやすさ”を最重視:制限ではなく「できること」「続けられる工夫」を中心に
●目標に合わせた設計:「疲れやすさ改善」「栄養バランスの見直し」など目的に応じた提案が可能
📍サプリを“何となく”で続ける前に、一度自分の栄養状態を見直してみませんか?
7. まとめ:サプリは“最後の調整役”。まずは食生活から
私たちはつい、「サプリを飲んでいれば安心」と思いがちです。
でも、栄養の基本はあくまでも“日々の食事”にあります。
サプリメントは、あくまで足りない部分を補う“調整役”。
まずは自分の食生活を振り返り、今の自分に必要な栄養素を知ることが、健康への第一歩です。
自己流で栄養管理を続ける前に、一度 管理栄養士に相談してみませんか?
きっと、“食べること”に対する考え方が変わるはずです。
8. よくある質問
サプリメントを飲んでいれば、栄養指導は受けなくても大丈夫ですか?
サプリメントを飲んでいる=栄養バランスが整っている、とは限りません。
食生活や生活習慣によって栄養の吸収率や必要量は異なり、今の自分に合っているかを確認するには、専門的な視点が必要です。栄養指導では、サプリの“代わり”ではなく“正しい使い方”も含めてサポートします。
健康診断の数値が正常でも、栄養指導を受ける意味はありますか?
はい、あります。健康診断は病気の有無を見るものですが、日々の栄養バランスまでは評価されません。たとえば「慢性的な疲れ」「肌荒れ」「睡眠の質の低下」などの不調は、栄養の偏りが関係していることも多く、栄養指導で解決の糸口が見つかることがあります。
サプリと薬を併用しても大丈夫ですか?
一部のサプリメントは薬の吸収や代謝に影響を与えることがあります。特にビタミンK(抗凝固薬と相互作用)や鉄(一部の薬と吸収競合)などは要注意です。服用中の薬がある方は、主治医にご相談ください。