中山クリニック

“体にいいつもり”が落とし穴?食生活の思い込みを管理栄養士が正す【管理栄養士監修】

掲載日:2025.07.04(最終更新日:2025.07.04)

白米より玄米
野菜中心なら安心
糖質は太る
 
――そんな“体にいいつもり”の食生活が、実は不調の原因かもしれません。
 
本コラムでは、管理栄養士の視点から食生活にまつわる思い込みをやさしく解説し、自分に合った“本当に体を整える食べ方”を知るための方法をご紹介します。

1. 健康のためにしていること、それ本当に正解なの?


「体にいいことをしているつもりなのに、なぜか不調が続く」
 
――そんな経験はありませんか?
 
食事に気をつけている人ほど陥りやすいのが、「思い込みによる誤った健康習慣」です。
 
たとえば、野菜をたくさん食べているからと安心していたら、たんぱく質が極端に不足していた。白米を完全にやめて玄米だけにしていたら、消化不良や下痢が続いてしまった
 
――こうしたケースは、栄養指導の現場でしばしば見られます。
 
健康情報が多すぎる現代では、「これがいいらしい」と誰かの食生活を真似したり、「糖質は悪」「油は太る」といった極端なイメージに引っ張られたりすることも少なくありません。

2. よくある“体にいいつもり”の食生活パターン

ここでは、栄養指導の現場であった「体に良さそうだけれど、実は偏っている」食生活の例をご紹介します。

パターン①:野菜中心すぎてたんぱく質が不足

「野菜はたくさん摂っています」と言う方の中には、肉・魚・卵・豆製品などのたんぱく質源が極端に少ないケースがあります。
結果として、筋肉量が減りやすく、疲れやすくなる原因になります。

パターン②:炭水化物をほとんど食べない(糖質カット)

「糖質=太る」と思い込んで主食を抜いてしまう方も多いですが、エネルギー源が不足すると集中力低下・便秘・代謝低下を招くことがあります。
過度な糖質制限は一時的に体重が落ちることがありますが、筋肉量も落ちやすくなります。

パターン③:玄米だけを食べる

「毎日ヨーグルトを食べているから大丈夫」と思っていても、その他の食事バランスが崩れていれば、腸内環境だけ整えても不十分です。
市販のヨーグルトは糖分が多いものも多く、選び方にも注意が必要です。

パターン④:ヨーグルトや健康食品に頼りすぎる

「油=太る」と思って完全に排除してしまうと、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収が妨げられたり、肌荒れや便秘の原因になることも。
質の良い油(オリーブオイルや亜麻仁油など)を適量摂ることが健康維持に必要です。

パターン⑤:油を極端に避ける

「油=太る」と思って完全に排除してしまうと、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収が妨げられたり、肌荒れや便秘の原因になることも。
質の良い油(オリーブオイルや亜麻仁油など)を適量摂ることが健康維持に必要です。

3. なぜその食べ方が落とし穴になるのか?


これらの「いいつもり食生活」は、情報を正しく理解していなかったり、自分の体質や生活スタイルに合っていないために、かえって不調の原因になることがあります。
 
栄養はバランスが命です。
どれか一つを突出して摂れば健康になれるわけではなく、「量」や「組み合わせ」、そして「継続性」がとても大切です。
 

“情報の正しさ”より、“自分に合っているか”が大事

●同じ糖質制限でも、、、

若年男性と高齢女性では影響がまったく異なります

●「健康に良い食材」も、、、

胃腸の状態や持病によっては負担になることがあります

つまり、
“体にいい”は人によって違うということ。
 
だからこそ、
今の自分に必要な栄養」を整理することが重要です。

4. 「正しい知識」より「自分に合った方法」が必要な理由


インターネットやテレビなどで紹介されている「健康に良い食べ方」は、あくまで一般論です。
たとえば、同じ「玄米が体に良い」という情報でも…
 
・体力のある若年層や男性にとっては有効でも、
・胃腸が弱っている高齢者には逆効果になることがあります。
 
また、過度な糖質制限が血糖コントロールに逆効果になるケースや、「カロリー制限しすぎて筋肉量が落ち、代謝が悪化してしまう」など、“やりすぎ”が不調を招くケースも実際に多く見られます。

✅栄養指導の基本は「あなたに合わせる」こと

管理栄養士による個別の栄養指導では、次のような視点でアドバイスが行われます:
 

視点 内容
年齢・性別・体格 基礎代謝や必要栄養量が異なる
生活リズム 食事の時間帯や食欲、調理環境を考慮
既往歴・持病 糖尿病、高血圧、脂質異常症などに応じて制限や推奨内容を調整
好みや食文化 継続のためには「好きな食べ方」をベースにするのが大切

 
つまり、正解はひとつではなく、“その人の生活”に合わせて設計するのが栄養指導の役割なのです。

5. 自分では気づけない“偏り”を、栄養指導でどう見える化できるか?


自己流の食生活では、なかなか自分の「栄養バランスの偏り」に気づけません。
でも、第三者である管理栄養士が介入することで、初めて見えてくる課題があります。

栄養指導でよくある「気づき」の例

気づき
✅ 実はたんぱく質が不足していた 肉や魚をほとんど食べておらず、筋肉量が落ちていた
✅ 摂っていたつもりのカルシウムが全然足りていなかった 牛乳や小魚を避けていた/吸収率の低い食材が多かった
✅ “朝食”が血糖コントロールの足を引っ張っていた ヘルシーだと思っていたフルーツや野菜ジュースに糖質が多く含まれていた
✅ 食物繊維や鉄分が慢性的に不足していた 野菜は摂っていたが、種類が偏っていた/豆類や海藻を食べていなかった

 
このように、本人には「健康に良い食事」だと思えても、客観的に見ると偏りがあることが少なくありません。

栄養指導では、具体的な食事記録をもとに必要な栄養素・不足しがちなポイントをわかりやすく説明し、“明日からできる小さな改善”を一緒に考えていきます。

6. 中山クリニックの栄養指導でできること


明石の中山クリニックでは、医師と管理栄養士が連携し、生活習慣病予防や体調不良改善のための「実践的な栄養指導」を行っています。
 

『なんとなく体にいいと思ってやっているけど、正しいのか分からない』

 
そんなモヤモヤを“確かなアドバイス”に変えるのが、私たちの栄養指導です。

✅ 当院の栄養指導の特長

  1. 完全予約制で個別対応:一人ひとりの悩みや生活リズムに合わせて、現実的な提案をします
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  3. 継続しやすい工夫が豊富:スーパーでの買い物アドバイス、時短調理のアイデアなども紹介
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  5. 無理なく、でも確実に変われる:制限ではなく「選び方と食べ方」を一緒に見直します
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  7. 初回は気軽な相談からでもOK:「このままの食生活で大丈夫か見てほしい」だけでも大丈夫です

  8.  

    👉 栄養相談・食事療法の詳細はこちら

    7. まとめ:食べ方を知ることは、体を守ること


    食生活に気をつけている人ほど、自分の選択に自信があるかもしれません。
     
    しかし、「良かれと思って続けていた習慣」が、実は自分の体に合っていなかった——そんなことも珍しくありません。
     
    体に良い食事とは、あなたの体質・生活・体調に合っていて、無理なく続けられること。
     
    自己流の“正しさ”にとらわれず、いまの食事を見直すことが、未来の健康への第一歩になります。

    よくある質問

    食事には気をつけているのに体調が良くなりません。本当に食生活のせいですか?

    はい、“気をつけているつもり”でも実は偏っている栄養素があることは珍しくありません。
    たとえば、たんぱく質や鉄分が不足していると疲れやすくなったり、脂質やビタミンの不足が肌荒れや便秘を引き起こすことも。栄養指導では、こうした「気づきにくい食習慣の偏り」を見える化し、改善のきっかけをつくります。

    インターネットの情報と違うことを言われたら、どちらを信じればいいですか?

    情報は「誰に向けたものか」が重要です。
    ネット記事や動画の情報は一般的なケースを想定した内容が多く、あなたの体質・年齢・持病などは考慮されていないことがほとんどです。
    栄養指導では、医学的根拠に基づき、個別の状態に合わせて具体的な提案をします。

    健康診断は問題なかったのに、栄養指導は必要ですか?

    健診で“異常なし”でも、慢性的な疲労感、肌の不調、便通の乱れなどにお悩みの方は多くいらっしゃいます。
    また、「予備群」の段階で生活を見直すことが、将来の病気を防ぐ近道です。
    「念のため一度相談してみる」ことも、立派な健康管理の一歩です。