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食べて痩せる!ダイエットに最適な食材10選【管理栄養士監修】

掲載日:2025.02.25(最終更新日:2025.03.31)

ダイエットと聞くと、つらい食事制限を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、実は「食べて痩せる」という方法も十分に可能です。本コラムでは管理栄養士の視点から、ダイエット中に積極的に取り入れたい10種類の食材を厳選して詳しく解説します。各食材が持つ栄養の特徴や注意点を分かりやすく紹介します。食事制限をするのではなく、必要な栄養をしっかり補給することで、リバウンドしにくい『食べて痩せる』を実現しましょう!

ダイエットに向いた食材

1.栄養学が示す“理にかなったダイエット”とは

理にかなったダイエット
ずばり、「食べて痩せるダイエット」です。一見矛盾しているようにも思えますが、実は栄養学の観点から見ると理にかなった考え方でもあります。健康的な身体を維持しながら体重を落とすためには、単純にカロリーをカットするだけでなく、必要な栄養素をバランスよく摂取しつつ、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを整えることが重要なのです。その理由をこれから順に述べていきます。

2.無理な食事制限、実はリバウンドの近道?

リバウンドの様子
まず、無理な食事制限によるダイエットは、短期的には体重が落ちる可能性がありますが、同時に筋肉量の減少や基礎代謝の低下を招くリスクがあります。基礎代謝が下がると、同じ生活をしていてもエネルギー消費が少なくなり、結果的にリバウンドをしやすい体質へと変化してしまうのです。そうならないようにするためには、筋肉量を適切に保ちながらエネルギー収支をコントロールする必要があるのです。

3.基礎代謝を下げないことが最適なダイエット戦略

基礎代謝を下げない
ダイエットの基本は「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスです。摂取カロリーが消費カロリーを下回れば体重は減り、上回れば体重は増えるというシンプルな理屈が存在します。とはいえ、単純に摂取カロリーを大幅に減らすだけでは、前述のとおり基礎代謝の低下や筋肉量の減少を招き、結果的に痩せにくい体を作ってしまうのです
 
「食べて痩せる」ためには、極端なカロリー制限ではなく、体に必要な栄養素をしっかり摂りつつも、全体のバランスを整えることがポイントです。

POINT三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)に加え、ビタミン・ミネラルや食物繊維も十分に摂ることで代謝がスムーズに回り、効率的に体脂肪を減らすことができます。

4.ダイエットに最適な食材10選

ここからは、ダイエット中に積極的に取り入れたい10種類の食材を詳しく解説していきます。栄養価やメリットだけでなく、具体的な調理法や注意点にも触れていますので、ぜひ日々のメニュー構成の参考にしてください。

①ブロッコリー

ブロッコリー
緑黄色野菜の代表格であるブロッコリーは、たんぱく質を含む数少ない野菜のひとつとして、筋トレ愛好家やダイエッターの間でも人気が高い食材です。ビタミンやミネラルなど、多彩な栄養素をまとめて摂取できる点も魅力です。

【栄養の特徴】

●高ビタミンC:
ブロッコリーにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは抗酸化作用があり、美容や免疫力向上にも寄与します。
●たんぱく質を含む野菜:
100gあたり約4g前後のたんぱく質を含み、野菜としては比較的高い水準です。もちろん肉や魚ほどではありませんが、ダイエット中のプラスアルファのたんぱく質源として活躍します。
●ビタミンB群・ミネラル:
エネルギー代謝を助けるビタミンB群や、カリウム、カルシウム、鉄分なども含まれており、総合的な栄養補給に適しています。

関連記事:知らないと損!ブロッコリーの栄養を100%引き出す調理法と保存テク

②ほうれん草

ほうれん草
ほうれん草は葉物野菜の中でもビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、彩りの良さや調理のしやすさからも人気の高い食材です。ダイエット中に不足しがちな栄養素を効率よく補えるため、メイン料理の付け合わせや汁物、スムージーなど、さまざまな形で活用できます。

【栄養の特徴】

●ビタミンA(β-カロテン):
ほうれん草に含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され、視力維持や皮膚粘膜の健康を保つのに役立ちます。
●鉄分・葉酸:
特に妊娠中や貧血が気になる方には欠かせない栄養素です。ビタミンCを含む食材と一緒に摂取することで、鉄分の吸収率が高まります。
●食物繊維:
腸内環境を整え、排便をスムーズにする効果が期待できます。ダイエット時にありがちな便秘対策にも一役買ってくれます。

POINTシュウ酸を多く含むため、結石がある方や結石を起こしやすい方は摂取量に注意が必要です。

関連記事:知らなきゃ損!ほうれん草の栄養と驚きの効果

③豆腐

豆腐
大豆製品の代表格である豆腐は、日本の食文化に欠かせないヘルシーな食材です。植物性たんぱく質を多く含み、低カロリーでありながら満足感が得られるため、ダイエット中にも取り入れやすいのが特徴です。

【栄養の特徴】

●大豆たんぱく質:
豆腐の主原料である大豆は、畑の肉とも呼ばれるほど良質なたんぱく質を含んでいます。植物性たんぱく質は動物性と比較して脂質が少ない傾向にあり、コレステロールを気にする方にもおすすめです。
●大豆イソフラボン:
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするとされ、骨粗しょう症の予防や更年期障害の緩和、美容面などで注目されています。
●カルシウム・マグネシウム:
豆腐はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも含んでおり、骨の健康や筋肉の機能維持にも役立ちます。

POINT豆腐は低カロリーで栄養豊富ですが、味付けに使う調味料によっては塩分や糖分、脂質が増える場合があります。特にドレッシングやタレをたっぷりかけると高カロリーになりがちですので、調味料の量には気をつけましょう。

関連記事:豆腐はダイエットに効果的!実践方法やレシピを紹介!

④バナナ

バナナ
甘みが強く食べ応えのある点から「ダイエットに不向きなのでは?」と思われがちですが、エネルギー源として優秀な炭水化物と、むくみ軽減に役立つカリウムなど、ダイエットをサポートしてくれる成分も多く含んでいます!

【栄養の特徴】

●カリウムが豊富
バナナにはカリウムが多く含まれ、体内の塩分(ナトリウム)を排出する助けとなり、むくみや高血圧の予防に役立ちます。
●ビタミンB群・食物繊維:
エネルギー生成を促すビタミンB群や腸内環境を整える食物繊維も含まれ、便秘対策にも効果的です。

POINT熟度が高いほど甘み(糖度)も上がるので、血糖値が気になる方はまだ少し固めのものを選ぶと良いでしょう。

関連記事:バナナの栄養成分を徹底解説!

⑤もやし

もやし
もやしは、豆類や穀類などの種子を発芽させて栽培した若芽で、非常に低カロリーかつ安価で手に入りやすい食材として知られています。シャキシャキとした食感が特徴で、炒め物やスープ、サラダなど多彩な料理に使いやすい汎用性が魅力です。まさに“かさ増し”食材の代表格として、ダイエット中の味方になってくれます。

【栄養の特徴】

●低カロリー・高水分:
ほとんどが水分で構成され、非常にカロリーが低いため、食事のボリュームを増やしながら総摂取カロリーを抑えやすい点がメリットです。
●ビタミンCやビタミンB群:
発芽の過程でビタミンCやビタミンB群が増加し、単なる野菜の“かさ増し”以上の栄養補給が期待できます。
●食物繊維を一定量含む:
豆類の発芽食品であるため、適度な食物繊維を含み、腸内環境を整えるサポートもしてくれます。

関連記事:もやしの驚くべき栄養素とダイエット効果

⑥納豆

納豆
大豆由来の植物性たんぱく質を多く含むだけでなく、発酵過程で生まれる酵素やビタミンK2などが健康面でさまざまなプラス効果をもたらすと注目を集めています。手軽に食べられるうえ価格も比較的安定しているため、日常的に取り入れやすいヘルシー食材です。

【栄養の特徴】

●豊富な植物性たんぱく質:
大豆自体が「畑の肉」と呼ばれるほど良質なたんぱく源で、納豆はその大豆を発酵させることで消化吸収率が高まっています。筋肉維持や基礎代謝向上に役立ちます。
●納豆菌による発酵パワー:
納豆特有のねばり成分であるポリグルタミン酸には、カルシウムの吸収を高める効果があるとされています。また、発酵過程で生み出される酵素ナットウキナーゼは、血液の流れをサラサラにするといわれています。
●ビタミンK2が豊富:
骨の健康に欠かせないビタミンK2を多く含み、カルシウムを骨に定着させる働きをサポートします。とくに女性や高齢者にも嬉しい栄養素です。

POINT納豆は発酵食品であるため、胃腸が弱い方は一度に多量に摂取するとお腹が張る場合があります。少量ずつ慣らしていくと◎。

関連記事:納豆の栄養価を徹底解説!驚きの効果

⑦鶏むね肉

鶏むね肉
鶏むね肉は、たんぱく質が豊富で低脂質な食材として広く知られています。鶏肉の部位の中でも特に脂質量が少なく、皮を除けばさらにカロリーを抑えられるため、ダイエット中に最適です。

【栄養の特徴】

●高たんぱく、低脂質:
たんぱく質は筋肉の維持や基礎代謝の維持に欠かせない栄養素です。鶏むね肉は、100gあたり約20gを超える良質なたんぱく質を含んでおり、脂質が少ないためカロリーを抑えながらしっかり栄養を補給できます。
●ビタミンB群が豊富:
ビタミンB6やナイアシンなど、エネルギー代謝に関わるビタミンB群が比較的多く含まれています。効率的な代謝をサポートし、疲労回復や肌の健康維持にも役立ちます。

POINT鶏むね肉は非常に優秀な食材ですが、一度に大量に食べるよりも、毎食に適量ずつ取り入れるほうが効果的です。過剰なたんぱく質摂取は腎臓に負担をかける場合があるため、注意しましょう。

⑧サバ

サバ
青魚の代表格であるサバは、ダイエット中に摂りたい「良質な脂質」と「たんぱく質」を同時に補給できる優秀な食材です。青魚特有の生臭さが苦手という方もいますが、調理法を工夫することで美味しくいただくことができます。

【栄養の特徴】

●DHA・EPAが豊富:
サバの脂質には、オメガ3系脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。これらは血液をサラサラにし、生活習慣病の予防に役立つとされています。ダイエットだけでなく、全身の健康維持にも嬉しい要素です。
●良質なたんぱく質:
青魚は魚の中でもたんぱく質含有量が高い部類に属し、筋肉量を維持しながら脂質を適度に摂取できます。

POINT青魚は健康に良い脂質を含むとはいえ、脂質量自体は高めです。調理法を工夫して余分な脂を落とす、もしくは一食あたりの量を調節するなどバランスを取りましょう。

⑨トマト

トマト
トマトは世界中で親しまれている野菜(実際には果実的な性質を持つ)で、赤い色の元となるリコピンをはじめ、多様な栄養素が含まれています。水分が多くさっぱりとした味わいで、ダイエット中に不足しがちなビタミンやミネラルを手軽に補給できる点が魅力です。

【栄養の特徴】

●リコピン:
トマトの赤色の主成分であるリコピンは強力な抗酸化作用を持ち、美容や生活習慣病の予防に役立つとされています。脂溶性のため、油を使った調理法やアボカドなど脂質と一緒に摂取すると吸収率が高まります。
●ビタミンA・C・E:
トマトにはビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンがバランスよく含まれ、細胞の酸化ダメージを抑えてくれます。
●水分量が多い:
トマトは約90%以上が水分で構成されています。水分補給をしながら、低カロリーで満足感を得やすいのが特徴です。

POINTトマトジュースなど加工品を選ぶ際は、塩分が添加されていないタイプや低塩タイプを選ぶと安心です。

関連記事:意外と知らないトマトの栄養素とその効果!

⑩ピーマン

ピーマン
ピーマンは、ビタミン類や食物繊維が豊富な緑黄色野菜として知られています。独特の苦味や香りを持ちますが、炒め物や肉詰め、煮込み料理などに幅広く使える汎用性の高さが魅力。低カロリーで栄養価も高いため、ダイエット中の食事に取り入れやすい野菜の一つです。

【栄養の特徴】

●ビタミンCが豊富:
ピーマン1個(約30g)あたりのビタミンC含有量は、レモン1個に匹敵するともいわれるほど豊富です。ビタミンCは熱に弱いイメージがありますが、ピーマンに含まれるビタミンCは加熱しても比較的損なわれにくいとされています。
●β-カロテンなど抗酸化ビタミン:
ピーマンの緑色はβ-カロテンなどのカロテノイド系色素によるもので、抗酸化作用が期待できます。細胞の酸化ダメージを抑えることで、美容や免疫力のサポートにも繋がります。

関連記事:知らなきゃ損!ピーマンの栄養素と効果を解説

6.まとめ

まとめ
ダイエットに最適な食材として、ブロッコリー、ほうれん草、豆腐、バナナ、もやし、納豆、鶏むね肉、サバ、トマトそしてピーマンの10種類をご紹介しました。いずれも低カロリー・高たんぱく、もしくはダイエット中に積極的に取り入れたい栄養素を豊富に含んでいます。
 
「食べて痩せる」というダイエットは、無理なカロリー制限に頼ることなく、必要な栄養をきちんと補給しながら体脂肪を落としていくアプローチです。基礎代謝を支える筋肉量を減らさないようにたんぱく質をしっかり摂り、便通の改善や糖質・脂質の代謝を促すビタミン・ミネラル、食物繊維をバランスよく取り入れることがポイントとなります。

7.管理栄養士に相談してみよう!

健康的な生活を送るための最初の一歩は、食生活を見直すことから始まります。
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栄養相談・食事療法について

8.よくある質問

ダイエット中、たんぱく質はどのくらい摂取すればいいですか?

一般的には、1日あたり体重(kg)×1.0~1.2gのたんぱく質摂取が推奨されています。筋トレなど積極的に筋肉をつけたい場合は体重×1.2~1.5g程度が目安です。ただし、腎臓に負担をかける可能性もあるので、自分の体調や生活状況に合わせて調整しましょう。

鶏むね肉を美味しく食べ続けるコツはありますか?

パサつきを防ぐために、下味にヨーグルトや酒、塩麹などを使うとしっとり仕上がります。また低温調理やそぎ切りもおすすめです。調味料やスパイスを変えてバリエーションを増やすと飽きにくいでしょう。

ダイエットにおける油の使い方はどうすればいいですか?

完全に油をカットする必要はありません。良質な脂質はホルモンバランスや脂溶性ビタミンの吸収などに必要です。オリーブオイルやえごま油、アマニ油などの不飽和脂肪酸を適量摂取するのが理想的です。

野菜や果物だけでダイエットを進めても大丈夫でしょうか?

野菜や果物はビタミンやミネラル、食物繊維が豊富ですが、たんぱく質や脂質が不足しやすくなるのでおすすめできません。魚や肉、大豆製品などもバランスよく取り入れることで健康的に体重を落とすことができます。

ダイエット中に避けるべき食品はありますか?

高糖質・高脂質の加工食品やスナック菓子、清涼飲料水はできるだけ避けましょう。

夜遅く食べても太らない方法は?

低カロリー・高たんぱく質の食品を選び、寝る2時間前には食事を終えるようにしましょう。