中山クリニック

理想の体脂肪率は?内臓脂肪と皮下脂肪の違いも管理栄養士が解説

掲載日:2024.12.10

体脂肪は、私たちの健康に深く関わる重要な要素です。
一口に体脂肪といっても「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があり、それぞれが蓄積されやすい部位や特性、さらには男性と女性でのつきやすさにも違いがあります。本記事では、内臓脂肪と皮下脂肪の違いを詳しく解説し、肥満タイプの見分け方や効果的な脂肪の減らし方についてもご紹介します。

体脂肪

1.体脂肪とは?

体脂肪とは、体内に蓄積された脂肪分のことを指します。体脂肪は全身のさまざまな部位に存在しており、体のエネルギーを貯蔵する役割を担っています。この体脂肪が過剰に蓄積した状態を「肥満」と呼びます。
 
肥満には大きく分けて2つのタイプがあります。内臓の周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」と、下腹部や腰まわり、おしりなどの皮下に脂肪が蓄積する「皮下脂肪型肥満」です。
内臓脂肪と皮下脂肪

2.内臓脂肪と皮下脂肪の違い

内臓脂肪と皮下脂肪の違いは、脂肪が蓄積される部位にあります。内臓脂肪は胃や腸などの内臓周辺、特にお腹周りに蓄積されやすいのが特徴です。
一方、皮下脂肪は体の表面に近い皮下組織に蓄積されます。

内臓脂肪

内臓脂肪は蓄積しやすい一方で、燃焼されやすい特徴があります。特に男性や閉経後の女性につきやすい傾向があります。内臓の周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」(腹部肥満)は、お腹がぽっこりと出た体型から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます
リンゴ型肥満
内臓脂肪は、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、ストレスなどが主な原因で蓄積しやすく、血圧や血糖値、中性脂肪の値に異常を引き起こすことがあります。これらの異常は、生活習慣病のリスクを高める要因となります。

皮下脂肪

皮下脂肪は蓄積しにくい一方で、一度蓄積すると燃焼されにくい特徴があります。特に女性や子どもにつきやすい傾向が見られます。
下腹部や腰まわり、おしりなどの皮下に脂肪が蓄積する「皮下脂肪型肥満」は、その体型から「洋ナシ型肥満」とも呼ばれます。
洋ナシ型肥満
皮膚の下に蓄積されるため、気付かないうちに増えてしまうことが多く、一度ついてしまうと減らすのが難しいのが特徴です。

3.理想の体脂肪率はどのくらい?

体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合(比率)のことです。体脂肪率の計算方法は、以下の方程式で求めることができます。
体脂肪率(%) = 体脂肪量 (kg) / 体重 (kg) × 100
上記の計算式では「体脂肪量(kg)」が必要です。体脂肪量は、体組成計を使った測定や、特殊な器具等を用いなければ割り出せません。

【体脂肪率による肥満の目安】

軽度肥満 中等度肥満 重度肥満
男性
15歳以上
体脂肪率20%以上 25%以上 30%以上
女性
15歳以上
体脂肪率30%以上 35%以上 40%以上

男性は、体脂肪のなかでも「内臓脂肪」がつきやすく、女性は「皮下脂肪」がつきやすいと言われるように、性別によって脂肪のつき方が違うため標準値も異なります。

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女性の体脂肪率の平均は?

15歳以上の女性の場合は、体脂肪率が30%を超えたら軽度肥満になり、35%以上は中等度肥満、40%以上は重度肥満と分類されます。
 
女性の標準的な体脂肪率は、20〜29%が標準とされています。女性は男性と比べて体脂肪が多い傾向にありますが、これは女性ホルモンの分泌に欠かせないものです。
そのため、あまりに体脂肪を減らしすぎると、生理が一時的に止まったり、将来骨粗鬆症のリスクが高まるなど、悪影響を及ぼす可能性があります。

男性の体脂肪率の平均は?

15歳以上の男性の場合、体脂肪率が20%を超えると軽度肥満、25%以上で中等度肥満、30%以上で重度肥満と分類されます。
 
男性の標準的な体脂肪率は、10~19%が標準とされています。もし、少しだけ引き締まった体を目指したいという場合は、15%前後を目指してみてください。

4.体脂肪を減らす方法

増えた体脂肪を減らすためには、生活習慣の見直しが欠かせません。体脂肪は、数日間食事を抜くだけでは減りません。それどころか、食事を抜くことで体が飢餓状態だと勘違いし、かえって脂肪を溜め込む原因になります。
ここでは、体脂肪を減らすのに効果的な方法を3つご紹介します。

①食物繊維を摂取しよう

有酸素運動
食物繊維は腸内を掃除し、体に不要なものの排出を助けるだけでなく、食後の血糖値の急上昇を抑える効果があります。サラダや汁物を作る際には、野菜だけでなく海藻やきのこを取り入れるだけでも、食物繊維の摂取量を増やすことができます。

②ウォーキングなどの有酸素運動

食物繊維
体脂肪が高くなっている主な原因として、運動不足が挙げられます。軽い運動を始めることで、消費カロリーを増やしましょう。いきなり激しい運動をする必要はありません。まずは近所をウォーキングするなど、手軽な運動からスタートしてみてください。例えば、通勤時に早足で歩いたり、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用するなど、日常生活にちょっとした工夫を加えるのもおすすめです。

③食事はしっかり3食とる

食事
食事を抜くと、空腹時間が長くなり、次の食事で過食してしまうリスクが高まります。その結果、血糖値が急上昇して脂肪を溜め込みやすい体になってしまいます。そのため、食事は3食しっかりとることが大切です。
ただし、食べ過ぎには注意しましょう。腹八分目を心がけ、ひと口につき30回を目安によく噛んで食べることを意識してみてください。

5.まとめ

体についた体脂肪は、これまでの生活習慣によって蓄積されたものです。体脂肪は体にとって必要不可欠な存在ですが、過剰であっても、少なすぎても健康に悪影響を及ぼします。
健康な体を維持するためには、体脂肪が多すぎる場合、無理のない範囲で生活習慣を見直し、地道に減らしていくことが重要です。体脂肪を減らすための近道はありません。焦らずに生活習慣を改善していくことが、健康的なダイエットにつながるでしょう。

6.管理栄養士に相談してみよう!

健康的な生活を送るための最初の一歩は、食生活を見直すことから始まります。
しかし、
どこから始めたらいいかわからない
一人で始めるのは難しい
と感じる方も多いのではないでしょうか?
そんな時は、明石市の中山クリニックの栄養相談をぜひご利用ください!
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