中山クリニック

特定保健指導は強制ですか?ペナルティはあるの?管理栄養士が解説!

掲載日:2024.12.20

生活習慣病のリスクがある方に生活改善を促すための「特定保健指導」。この指導の実施率が低い場合、健康保険組合などの保険者にペナルティが課されることがあります。そのため、実施率向上に力を入れている保険者が多く、特定保健指導の案内を「しつこい」と感じる方も少なくないのではないでしょうか?
 
自分はまだまだ健康だ
面倒くさい
病気になってから病院に行けばいい
 
これはみなさんに共通して多く見られる傾向です。
実は特定保健指導は無料で受けられます
本記事では、特定保健指導の概要と受けた方がいい理由について管理栄養士が解説します。

特定保健指導 しつこい

1.特定保健指導とは

メタボ検診
特定保健指導は、2008年度から特定健康診査(いわゆる「メタボ健診」)とセットで導入された、生活習慣病予防を強化するための国の施策です。この制度は、40歳から74歳までの医療保険加入者を対象に実施され、メタボリックシンドロームの該当者や予備群の方々に、生活習慣改善をサポートする指導を行います。

メタボリックシンドロームとは

2.特定保健指導の制度と背景

特定保健指導 背景
背景としては、糖尿病高血圧症脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病が、医療費増大の一因となっていることがあります。内臓脂肪が蓄積すると、インスリン抵抗性や慢性炎症を引き起こしやすく、結果的に動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めます。特定保健指導は、こうしたリスクを下げ、健康寿命を延ばす取り組みとして位置づけられています。

3.特定保健指導は強制なのか?

結論から言えば、特定保健指導は強制ではありません。あくまで「受けることが推奨される指導」であり、法的な強制力はありません。「特定保健指導 強制」というキーワードで検索する方も多いようですが、現状として、特定保健指導の受講拒否に対して直接的な法的罰則や罰金などは設けられていないのが実情です。
 
しかし、「推奨」という位置づけであるものの、医療保険者(健康保険組合や国民健康保険など)は、生活習慣病による医療費増大を防ぐため、特定保健指導の対象者に対して積極的な受講を促します。そのため、「強制」と感じられる場合があるかもしれません。

4.特定保健指導を「無視」したらどうなる?ペナルティは?

特定保健指導 ペナルティ
「特定保健指導 無視」という検索があるように、指導を受けたくない、あるいは忙しくて受けられない方も少なくありません。そこで気になるのが、「受けない場合にペナルティがあるのか?」という点です。
 
現状、特定保健指導は任意であり、受けなくても罰則やペナルティはありません。
 
しかし、今後の制度改正で、インセンティブの適用除外保険料割増といったデメリットが検討される可能性はあります。海外では健康的な生活習慣を保つ被保険者に保険料割引を与える事例もあり、日本でも議論が進むかもしれません。

5.特定保健指導が「しつこい」と感じる理由

特定保健指導が「しつこい」と感じられる理由の一つは、保険者が目標達成のために対象者へ繰り返し連絡を行うことがあるためです。医療費適正化計画において、特定保健指導の実施率は重要な指標の一つとされており、健康保険組合などの保険者は積極的に受講を勧奨します。その結果、対象者によっては「しつこい」と感じてしまう場合があります。

6.特定保健指導を受けるメリット

心筋梗塞、脳卒中の様子
特定保健指導の対象者を選ぶ基準は、主にメタボリックシンドロームのリスク数です。特定保健指導を受けずに放置すると、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病だけでなく、それらが原因となる心筋梗塞脳卒中といった命に関わる疾患を引き起こす可能性が高まります。
特定保健指導の通知を受けた場合は放置せず、早めに指導を受けて生活習慣を見直しましょう!

メタボリックシンドロームとは

7.特定保健指導の具体的な内容(食事・運動・生活習慣)

特定保健指導 内容
特定保健指導では、主に以下の領域で生活習慣改善をサポートします。
 

  • •食事指導:カロリーコントロール、バランスの良い食事、塩分や糖質、脂質の摂取量適正化。
  • •運動指導:軽い有酸素運動、筋トレ、日常生活への運動習慣の取り入れ方。
  • •生活習慣改善:禁煙、節酒、睡眠習慣改善、ストレスマネジメント。

 
これらは個別のニーズやライフスタイルに合わせて柔軟なアドバイスが受けられます。

8.管理栄養士による食事指導の実際とポイント

食事療法
管理栄養士は、栄養学の観点から、対象者の生活スタイルや嗜好などを踏まえたうえで、現実的な食事改善策を提案します。管理栄養士に相談できることは多岐にわたります。
 

  • •体脂肪や内臓脂肪を減らすための食事療法:低エネルギーで高栄養価の食材(野菜、きのこ、海藻類、魚、赤身肉、豆類など)の活用方法
  • •塩分、糖分コントロール:減塩のコツ、甘いものとの付き合い方。
  • •外食、中食対策:コンビニ・スーパーでの賢いメニュー選び

 
加えて、栄養指導や食事療法を継続的にサポートすることで、長期的な健康増進が期待できます。

理想の体脂肪率は?内臓脂肪と皮下脂肪の違い

9.特定保健指導をうまく活用するコツ

食事療法
特定保健指導は、自分自身の健康状態を見直し、生活習慣を改善する「チャンス」として活用できます。以下のコツを参考にしてみてください。

•目標を明確にする:

体重を何キロ減らす、腹囲を何センチ減らす、血圧・血糖値・コレステロール値などの目標値を具体的にする。

•小さな変化から始める:

いきなり大きな食事制限や激しい運動は続きません。まずは毎日の階段利用や1品の野菜追加など、小さな改善からスタートしましょう。

•継続サポートを活用する:

管理栄養士や保健師の継続的なサポートを受けることで、モチベーション維持やつまずき時の対策ができる。

•自分に合ったスタイルを模索する:

忙しい人には短時間で効率的な運動、料理が苦手な人には簡単レシピ、ストレスが多い人にはストレスマネジメント法など、自分に合った方法を見つける。

10.まとめ:管理栄養士に相談してみよう!

健康的な生活を送るための最初の一歩は、食生活を見直すことから始まります。
しかし、
どこから始めたらいいかわからない
一人で始めるのは難しい
と感じる方も多いのではないでしょうか?
そんな時は、明石市の中山クリニックの管理栄養士にご相談ください!
管理栄養士 特定保健指導
当クリニックでは、経験豊富な管理栄養士が一人ひとりの健康状態やライフスタイルに合わせた個別プランを作成し、マンツーマンで丁寧にサポートいたします。
 
あなたの健康目標を達成するための最初の一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?

特定保健指導について

11.よくある質問

特定保健指導は誰でも受けられますか?

特定保健指導は、40~74歳の医療保険加入者のうち、特定健診結果で内臓脂肪型肥満とその関連リスクが認められる方が対象です。

特定保健指導は何回受ける必要がありますか?

特定保健指導は、初回面接指導(約20~40分程度)後、個々の状態に応じて数ヶ月間の継続支援が行われます。支援期間中に数回のフォローアップを行い、結果評価を経て終了となります。

受講費用はかかりますか?

特定保健指導の費用は、健康保険組合が全額負担します。被保険者(本人)は無料で受診でき、交通費は個人負担となります。被扶養者(家族)の場合は、実施機関によって異なります。

忙しくて受講の時間がとれません。どうすればよいでしょう?

オンライン面談や電話相談など、比較的柔軟な相談手段が用意されています。担当者に相談し、ライフスタイルに合った指導を受けることで時間的負担を軽減できます。

特定保健指導を実際に拒否するとどうなりますか?

特定保健指導は強制ではありませんし、受講拒否しても現時点で罰則はありません。ただし、せっかく提供される機会を逃すのは、長期的な健康リスク軽減の点でマイナスです。